
ディードー
Dido
伝説の上で、カルタゴの町を開いたテュロスの王女
- 生没年
- 伝承では前 9 世紀
- 地域
- テュロス(フェニキア)、カルタゴ(北アフリカ)
生涯
フェニキアの町テュロスの王女で、北アフリカにカルタゴを開いたと伝えられる伝説の女王である。エリッサとも呼ばれる。実在したかどうかは分からない。
ローマの詩人ウェルギリウスの『アエネーイス』第 1 巻によれば、兄のテュロス王ピュグマリオンが、金を狙ってディードーの夫シュカイオスを殺した。夜に現れた夫の霊に、罪と隠された財宝を知らされたディードーは、王を憎む人々や恐れる人々を集め、財宝を船に積んで海に逃れた。北アフリカに着いた一行は、牛の皮 1 枚で囲めるだけの土地を買い、そこをビュルサと名付けた。
ユスティヌスがまとめたポンペイウス・トログスの歴史の抄録(第 18 巻)では、夫の名はアケルバスである。ディードーは牛の皮をできるだけ細い紐に切らせて、広い土地を囲んだ。同じ抄録によれば、のちに近くの王イアルバスに結婚を迫られ、亡き夫のもとへ行くと言って自ら命を絶った。ウェルギリウスは、これをトロイアから来たアエネーアスとの恋と別れの話にしている。肖像は伝わっていない。