
アンダーソンの霧箱
Carl Anderson's magnet cloud chamber
強い電磁石の中で宇宙線の飛跡を写し、陽電子を見つけた装置
- 年代
- 1932年
- 場所
- パサデナ(カリフォルニア工科大学)
しくみと歴史
カリフォルニア工科大学のカール・アンダーソンが自分で設計して作った霧箱と、それを囲む電磁石である。霧箱は、ガラスの板でふたをした短い円筒に、蒸気で満ちた気体を入れたものである。急に膨らませて気体を冷やすと、電気を帯びた粒子が通った跡に霧の粒が並び、線になって見える。アンダーソンは、ピストンで膨らませる仕組みと、水とアルコールを混ぜた蒸気で霧箱を改良した。
電磁石は、直径 6 インチ(約 15 cm)の範囲に 2 万 5000 ガウスの磁場をかけ、粒子の飛跡を曲げた。磁石を動かすには大きな電力が要るため、装置は大学の航空学の建物の最上階に置かれた。霧箱の中央には厚さ 6 mm の鉛の板を渡し、粒子が板を抜けてエネルギーを失うことから、進む向きを決められるようにした。1932 年、この装置で撮った写真に、電子と同じだけ曲がるのに曲がる向きが逆の飛跡が写った。陽電子の発見である。アンダーソンは 1936 年のノーベル物理学賞を受けた。