
ファラデーの誘導リング
Michael Faraday's induction ring (ring-coil apparatus)
鉄の輪に 2 つのコイルを巻き、電磁誘導を初めて捉えた装置
- 年代
- 1831年
- 場所
- ロンドン、王立研究所
しくみと歴史
ロンドンの王立研究所の地下の実験室で、マイケル・ファラデーが 1831 年 8 月に作った装置である。直径約 17 cm、厚さ約 3 cm の鉄の輪の向かい合う 2 か所に銅の針金を巻いて 2 つのコイルにし、木綿で覆って針金どうしが触れないようにしてある。針金は婦人帽(ボンネット)に使う品で、鉄の輪は特別に作らせたものらしい。巻く作業は手間がかかった。日記には書かれていないが、10 日ほどかかったと見られている。
1831 年 8 月 29 日、ファラデーは一方のコイルを電池に、もう一方を電流計につないだ。電池をつないだ瞬間と切った瞬間にだけ、もう一方のコイルにごく短い電流が流れた。磁気から電気が生まれる電磁誘導を、初めてはっきり捉えた実験である。1 つのコイルの電流の変化で別のコイルに電流を起こすしくみは、いまの変圧器と同じで、この輪は最初の変圧器とも呼ばれる。いまも王立研究所のファラデー博物館に展示されている。