
粘土板 YBC 7289
YBC 7289 (Yale Babylonian Collection)
正方形の対角線に √2 の近い値を刻んだ、生徒の粘土板
- 年代
- 紀元前1800〜1600年ごろ
- 場所
- メソポタミア南部(いまのイラク)
しくみと歴史
古バビロニア時代に、メソポタミア南部で作られたとみられる丸い粘土板である。紀元前 1800〜1600 年ごろのものとされる。所蔵するイェール大学の説明では、手のひらほどの湿った粘土を、ハンバーガーほどの大きさと形の円盤にし、日に当てて少し乾かしてから図を刻んだ。同じ説明によれば、1909 年、J. P. モルガンが集めた楔形文字の粘土板とともにイェール大学に入り、イェール・バビロニア・コレクションの所蔵となった。
表には正方形と 2 本の対角線が描かれている。1 辺には 60 進法で 30 と書かれ、対角線に沿って 1;24,51,10 と 42;25,35 の 2 つの数が刻まれている。1;24,51,10 は 10 進法で 1.41421296… で、 にきわめて近い。42;25,35 は 30 に 1;24,51,10 を掛けた値で、1 辺 30 の正方形の対角線の長さにあたる。小さく丸い形と大きな字から、書記を学ぶ生徒が手に持って練習に使った粘土板と考えられている。
この器具が出てくる公式
出典
- Yale News: A 3,800-year journey from classroom to classroom (2016-04-11)
- D. Fowler and E. Robson, Square Root Approximations in Old Babylonian Mathematics: YBC 7289 in Context, Historia Mathematica 25 (1998), 366-378