
しくみと歴史
ロンドンのリンネ協会が保管する、植物学者ロバート・ブラウンの顕微鏡である。レンズを 1 枚だけ使う単式の顕微鏡で、長さ 13 cm に満たない小さな箱に、倍率の違うレンズが一式そろっている。いちばん強いレンズで約 170 倍になる。ロンドンの光学器械商バンクスの作とされ、協会は、カフ型の顕微鏡を作り替えたもので、ブラウンのために作られたものらしいと紹介している。
ブラウンは何台もの顕微鏡を持っていた。キュー王立植物園にも、自宅で使ったバンクスの顕微鏡が 1 台残る。1827 年の夏、花粉から出た細かい粒が水の中で動き続けるのを見つけたのも、1 枚レンズの顕微鏡だった。リンネ協会は、この顕微鏡でブラウン運動が見つかったとしている。ただし、ブラウンが報告に書いたレンズの焦点距離はこのレンズと合わないという指摘があり、1827 年の観察にどのレンズを使ったかは確かめられていない。顕微鏡は 1980 年代に、顕微鏡研究家ブライアン・フォードが修復した。
この器具が出てくる公式
出典
- The Linnean Society of London: Robert Brown (1773-1858)
- The Linnean Society of London: Linnean Learning videos (2018-01-12)
- P. Pearle et al., What Brown saw and you can too, American Journal of Physics 78 (2010), 1278-1289
- B. J. Ford, Brownian movement in Clarkia pollen: a reprise of the first observations, The Microscope 40 (1992), 235-241