生涯
10 世紀の後半に、バグダードの宮廷とつながりをもって活動した数学者である。生まれた年も没した年も記録が無い。
983 年から 985 年の間に、太陽などの光を反射や屈折で 1 点に集め、離れた所の物を燃やす道具の論考『燃える道具について』を書いた。反射の部では放物面の鏡と楕円面の鏡を、屈折の部では平凸レンズと両凸レンズを扱う。光が水晶から空気へ出るときの曲がり方を、角度によらず一定になる長さの比として書き、それをもとに、光を 1 点に集めるレンズの面を双曲線を回した形として求めた。曲線を連続して描く方法も添えていて、実際に道具を作るつもりだったことが分かる。
プトレマイオスの『光学』第 5 巻を調べた論考もあり、イスラーム世界で『光学』を研究したことが分かる最初の学者とされる。少し後のイブン・アル=ハイサムはその仕事を知っていて、論考の 1 つを自分の手で写している。写本を読み解いた科学史家ロシュディ・ラーシェドが、1990 年にこれらを明らかにした。生前の肖像は伝わっていない。
関わった公式1
器具と道具
出典
- Roshdi Rashed, A Pioneer in Anaclastics: Ibn Sahl on Burning Mirrors and Lenses, Isis 81 (1990), 464-491
- Roshdi Rashed, Géométrie et dioptrique au Xe siècle: Ibn Sahl, al-Qūhī et Ibn al-Haytham (Les Belles Lettres, 1993)

