生涯
1941年12月22日、イギリスのノッティンガムで生まれた。オックスフォード大学で学び、1968年に博士の学位を得た。アメリカのスタンフォード大学の研究員のころは、固体の中の原子ほどの大きさのすき間にイオンが入り込む現象(インターカレーション)を調べていた。
1972年、石油会社エクソンの研究所に移る。石油が尽きることへの危機感から、エクソンが石油に関わらないエネルギーの基礎研究に人を集めていた時期だった。超伝導の材料にイオンを入れる実験から、層状の二硫化チタンにリチウムイオンを出し入れすると、多くのエネルギーをためられることに気づいた。負極に金属のリチウムを使ったこの電池は2 Vあまりを出し、1976年に発表された。
ただ、充電をくり返すと負極からリチウムのひげが伸びてショートし、火事が何度も起きた。1980年代の初めに原油の値段が下がると、エクソンは開発を打ち切った。シュルンベルジェを経て、1988年からニューヨーク州立大学ビンガムトン校の教授。2019年にノーベル化学賞を受けた。