生涯
ウィーン工科大学の教授で、トリウム229の原子核にある低い段差を探す研究を率いてきた。大学の発表によると、2009年からは研究をこの探索だけに絞ってきた。
原子核を1個ずつ電磁場のトラップに閉じこめて調べるグループもあるなか、シュムのチームはトリウムの原子をたくさん入れたフッ化カルシウムの結晶を作る道を選んだ。結晶を育てたチームのファビアン・シャーデンによると、結晶の中のおよそ10¹⁷個の原子核に、一度にレーザーを当てられる。2023年11月21日、ドイツの物理工学研究所(PTB)のチームとともに、この結晶の原子核をレーザーで上の段へ移すことに初めて成功し、2024年4月に論文を出した。発表では「私たちにとって、夢がかなった」と語っている。
2026年10月には、PTBのエッケハルト・パイクのチームとともに、トリウムの原子核そのものでレーザーの振動数を安定させる原子核時計を『ネイチャー』に発表した。1日かけて調べた精度はおよそ10⁻¹⁵で、シュムは「世界最高の光原子時計の水準にはまだ届かないが、最初の試作機としてはすばらしい結果だ」と述べた。
関わった公式1
器具と道具
出典
- TU Wien: Atomic Nucleus Excited with Laser: A Breakthrough after Decades(2024年4月29日)
- TU Wien: The First Stand-Alone Nuclear Clock is Ticking in Vienna(2026年10月8日)
- J. Tiedau et al., Laser Excitation of the Th-229 Nucleus, Physical Review Letters 132 (2024), 182501
- L. Toscani De Col et al., A thorium-229 optical nuclear clock with feedback loop, Nature 658 (2026), 897-902(連絡先の著者)
