近くの6羽か7羽
6羽か7羽。ホシムクドリの群れで、1羽が動きを合わせている仲間の平均の数である。
群れを率いる1羽がいなくても、どの鳥もこの数羽に近づきすぎず、向きを合わせ、離れすぎないように飛べば、数千羽がぶつからずにそろって向きを変える。
この数は、ローマの夕方の空から出てきた。2005年12月から翌年2月にかけて、ミケーレ・バッレリーニらの研究チームは、テルミニ駅前の広場の木をねぐらにする群れを、ローマ国立博物館マッシモ宮のテラスから撮り続けた。地上30 mのテラスで、25 m離した2か所にカメラを据え、1秒に10枚ずつ同時に写す。左右の写真で同じ鳥を結びつけ、最大2,600羽ほどの群れで、1羽ずつの位置を3次元で求めた。
論文の冒頭には、ハヤブサに襲われた群れの様子が書かれている。群れは縮み、広がり、ときには割れる。それでも取り残される鳥はおらず、群れはやがて1つにまとまり直す。
近くの数羽にしか合わせていないのに、なぜ数千羽がそろうのか。どこまで乱れると、そろわなくなるのか。
指図する鳥はいらない
1987年、シンボリックス社のグラフィックス部門にいたクレイグ・レイノルズは、群れの動きを計算で作る論文を発表した。冒頭でレイノルズは、群れのいちばん不思議な点を「意図をもって中央から操っているような強い印象」だと書いている。そのうえで、群れの動きは1羽ずつの行動を合わせた結果にすぎず、どの鳥も自分のまわりの見え方だけで動いているはずだと考えた。
レイノルズは、1986年に作った模型の鳥をボイドと名づけ、3つの規則を与えた。優先する順に、近くの仲間とぶつからないよう避ける、近くの仲間と速度を合わせる、近くの仲間のそばにいようとする、である。後の解説では、これを分離・整列・結合と呼んでいる。「近く」は、自分からの距離と、進む向きからの角度で決める。
近くだけを見るのには理由がある。鳥の群れは、何羽加わっても満員にならない。群れに加わるために1羽が考える量は、群れの大きさによらないはずだ、とレイノルズはみた。
先頭の鳥についていく模型では、障害物の前で群れが2つに分かれられない。近くの仲間の中心に寄る規則なら、群れは障害物の前で割れ、小さな群れどうしはまた合わさる。
魚の群れでは、レイノルズより5年早い研究がある。東京大学海洋研究所の青木一郎は1982年、日本水産学会誌に、1匹ずつの泳ぐ速さと向きを乱数で決め、その向きが近くの仲間の位置と向きで決まる模型を発表した。仲間に近づく、避ける、向きをそろえるの3つのふるまいを入れている。1匹が群れ全体の動きを知らず、決まったリーダーもいないのに、群れはまとまって泳いだ。青木は、群れになるには、集まるための接近と、まとまって進むための平行な向きの2つが要ると結論している。
力を足して1/30秒ずつ進める
シミュレーションの鳥は、3つの規則をそれぞれ力に直し、運動方程式で動かす。鳥の位置を、速度を、質量をとする。力の書き方は、レイノルズが1999年のゲーム開発者会議の論文で示したものにならった。
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1羽ずつの運動方程式。3つの力の和が加速度を決める。
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離れる力。半径より近い仲間から押し出され、近い相手ほど強く効く。
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そろえる力。半径以内にいる仲間の平均速度と、自分の速度との差に比例する。
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寄る力。半径以内にいる仲間の重心へ引かれる。
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時間をずつ刻み、まず力で速度を変える。
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次に、速度の向きを一様な乱数だけ回す。がゆらぎの幅で、ヴィチェックらが1995年の模型に入れたゆらぎと同じ形である。
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最後に、その速度で位置を進める。5と7の進め方は、レイノルズが1999年の論文で使った前進オイラー法である。
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そろい具合を測る。速さの鳥の速度は、複素数でと書ける。オイラーの公式により、は単位円の上で、鳥の進む向きにある点を表す。これらの点の重心を原点から測った長さを、向きのそろい具合とする。
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向きがでたらめで互いに無関係なら、の項は平均すると0になり、の個だけが残る。
ヴィチェックらは同じ量を、速度の和の大きさで定義した。速さがそろっていれば、8のと同じものである。全員が同じ向きなら。9によれば、200羽の向きがでたらめでもは0にならず、ほどでゆれる。
シミュレーションの長さは、画面の面積が6,000になる目盛りで測る。パソコンの画面なら横100、縦60である。、、、秒とする。速さは1秒に10前後(9〜11)に保つ。、、に、つまみの値を掛ける。3つの力は、レイノルズの1987年の論文と同じように、離れる、そろえる、寄るの順に加速度の上限60まで割り当てる。画面の端は、反対側の端とつながっている。
200羽の空に天敵を放つ
三角が鳥で、後ろに続く点の列は、この1秒ほどに通った跡である。左上の円の矢印がで、点線の円まで届けば、隣のグラフはこの20秒のを表す。つまみで3つの力の強さとゆらぎを変え、「見本」で一方向、渦、群がる、ばらばらの4つの形を呼び出す。画面をたたくとそこに天敵が現れ、いちばん近い鳥を5秒追い、点線の円に入った鳥が逃げる。
ゆらぎを0.2上げると群れがほどける
見本の「一方向」では、200羽はほぼ1つの群れになり、は0.98前後を保つ。ここからゆらぎだけを上げてみた。ばらばらから60秒動かし、後半20秒の平均を10回ずつとると、はで0.92、0.6で0.80、0.7で0.54、0.8で0.22、1.0で0.11だった。
0.6から0.8へ、わずか0.2 radのあいだに、は3分の1より小さくなる。
群れの数も、1つから11ほどの小さなかたまりにほどける。ほどける位置を決めているのは、そろえる力とゆらぎの比べ合いだ。そろえる力が1段で直すのは、平均速度とのずれのほどにすぎない。「そろえる」を3にすると、はでも0.54を保ち、1.25で0.19まで下がった。
1995年、ブダペストのエトヴェシュ大学のタマーシュ・ヴィチェックらは、テルアビブ大学の研究者とともに、規則を「そろえる」1つだけに絞った模型を発表した。粒は一定の速さで進み、1段ごとに、半径1の円に入る仲間の向きを平均して、そこに幅の一様な乱数を足す。離れる力も寄る力もないのに、ゆらぎを小さくしていくと、でたらめに動く状態から、全体が1つの向きに流れる状態へ移った。最大1万個の粒で計算し、密度0.4のとき、移り変わるゆらぎを、その手前でとなる指数をと見積もっている。ヴィチェックらは、ゆらぎを磁石の温度に、そろえる規則を、隣り合うスピンの向きをそろえる相互作用にたとえている。
しかし2004年、ギヨーム・グレゴワールとユーグ・シャテは、この結論に異を唱えた。2次元ではこの移り変わりがいつも不連続で、ヴィチェックらの最小の模型でも同じだという。は0から連続に立ち上がるのではなく、ある所で跳ぶ。
急にそろう点は、ホタルとメトロノームはなぜそろうのかの蔵本モデルとよく似ていて、の式の形も同じである。違うのは、鳥が動くので、近くにいる相手が刻々と入れ替わることだ。
1段で向きはどれだけ残るか
ゆらぎの大きさを、ブラウン運動の言葉で読み直す。仲間のいない1羽を考え、1段ごとに向きへを足していく。
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1段の回転を単位円上の点に直し、平均する。
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ならで、1段で前の向きはすっかり消える。ヴィチェックらが「温度が無限大」にあたるとした値である。
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各段の乱数は互いに無関係なので、段のあとには平均が掛け合わされる。
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が小さいときはを使い、とおく。向きの記憶は指数関数で薄れる。
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同じは、ずれの2乗の平均からも出る。1段のの分散はなので、ブラウン運動のと同じ形になる。
ヴィチェックらのでは、1段で残る割合はになる。1段ごとに3割ほどの向きが失われても、平均の向きに合わせ直す規則があれば全体はそろう。一方、シミュレーションのでは、残る割合は0.98で、読み出しの最後の数字がこれにあたる。仲間のいない1羽なら /sで、向きの記憶は秒ほどで薄れる。
群れの中では、そろえる力がこの忘れ方に追いつけるかどうかで、の高さが決まる。
距離ではなく数で数える
ローマの写真から、バッレリーニらは、1羽から見ていちばん近い鳥、2番目に近い鳥……が、どの方向にいるかを調べた。いちばん近い鳥は、進む向きの前と後ろには少ない。この偏りは、近い順に6番目から7番目のあたりで消える。偏りが消える順位を群れごとに求めると、10の群れの平均はだった。
決め手は、群れによって密度が違うことだった。隣の鳥までの距離の平均は、いちばん密な群れで0.68 m、いちばんまばらな群れで1.51 mある。同じ半径の中に入る鳥は、密な群れで10羽、まばらな群れで1羽と大きく変わる。鳥が決まった距離の中の仲間を相手にしているなら、は密度で変わるはずだ。ところがはほぼ一定で、変わったのは番目の鳥までの距離のほうだった。
ホシムクドリは、距離ではなく、近い順の数で相手を選んでいる。
なぜ6〜7羽なのか。著者らは、決まった数の相手を同時に追う力の限りではないかと考えている。訓練したハトは7個より少ない物の数なら見分けられる、という実験と数が近い。2次元で調べた魚の群れでは、この限りは3〜5匹と見積もられている。
著者らの考えでは、数で選ぶ鳥は、天敵が来て群れがまばらになっても、同じだけの仲間とつながり続ける。距離で選ぶ鳥は、仲間が半径の外へ出たとたんに相手を失う。著者らが2次元の計算で200羽の群れを天敵にぶつけると、距離で選ぶ場合は割れたかたまりの43%が1羽だけのはぐれで、数で選ぶ場合は5%にとどまった。
このページのシミュレーションは、レイノルズやヴィチェックと同じく距離で選ぶ。見本の「一方向」で40秒動かしてから群れの中ほどをたたく試しを60回くり返すと、6秒後には平均で2〜3つの群れと2羽ほどのはぐれに分かれ、20秒後にはほぼ1つの群れに戻った。読み出しの「群れ」は、距離5より近い鳥どうしをつないでできるかたまりの数で、1羽だけのかたまりを「はぐれ」と数えている。はぐれた鳥を群れへ引き戻す力が届くのは、半径16の中にまだ仲間がいるあいだだけである。
同じつまみで渦にも一方向にもなる
見本の「渦」は、鳥を輪の形に並べ、輪に沿った向きから始める。読み出しの「回転のそろい」は、全員が群れの重心のまわりを同じ向きに回っていれば1になる量である。離れる0.5、そろえる0.2、寄る3、ゆらぎ0.1のつまみでは、3秒ほどでが0.95前後になり、1分たっても0.99のまま回り続けた。渦の中では隣どうしがすでに同じ向きに飛んでいるので、「そろえる」を1や3に上げても、20秒のあいだは0.9以上を保つ。渦がほどけたのは、寄るを1に下げたとき、離れるを1.5に上げたとき、ゆらぎを0.6に上げたときだった。
逆に、一方向に飛んでいる群れのまま、つまみだけを渦と同じ値に動かしても、渦にはならない。5回試しても、40秒後のは0.99を超え、群れは一方向に飛び続けた。
同じ規則と同じつまみでも、それまでの形によって行き着く形が違う。
2002年、イアン・クーザンらは、魚や鳥の群れを3次元で表す模型で、1匹ずつの相互作用をわずかに変えるだけで群れ全体の振る舞いが大きく切り替わることを示した。そのとき現れる形が、それまでに群れがとってきた形に左右されることも見つけ、集団記憶と呼んでいる。規則の細部は違うが、渦から始めれば渦が、一方向から始めれば一方向が続くこのシミュレーションの振る舞いも、同じ種類のものとみてよい。
映画のコウモリとローマの研究チーム
レイノルズは、シンボリックス社などの同僚とボイドを使った短い映画「Stanley and Stella in: Breaking the Ice」を作り、1987年のSIGGRAPHで上映した。本人の解説によると、その後ボイドが使われた作品の最初は、1992年のティム・バートン監督『バットマン リターンズ』で、コウモリの群れと、街を行進するペンギンの軍団がボイドの改良版で作られた。
バッレリーニらによると、それまでの実測の多くは数十匹ほどの群れだった。ローマの測定は、2008年1月にPNASに載った。共著者の一人、ジョルジョ・パリージは、乱れた物質と偶然の過程の理論で、2021年のノーベル物理学賞を真鍋淑郎、クラウス・ハッセルマンとともに受けた。スウェーデン王立科学アカデミーは一般向けの解説で、自分の研究の多くは単純な振る舞いから複雑な集団の振る舞いが生まれる仕組みを扱っていて、それはスピングラスにもムクドリにも当てはまる、というパリージの言葉を紹介している。
30機のドローンと3万5千匹のマイワシ
ドローンの群れ。2018年、ガーボル・ヴァーシャールヘイ、ヴィチェックらは、中央からの指令なしに群れて飛ぶ30機のドローンの野外実験をScience Roboticsに報告した。実機では、動きと通信の制約や遅れ、外からの乱れが群れの動きを大きく左右する。著者らはこれを模型に入れ、増えたつまみの組を進化的な最適化で選んだ。
ロボットの群れ。2014年、マイケル・ルーベンスタイン、ラディカ・ナグパルらは、約1000台のロボットが近くの仲間との通信だけで、決めておいた2次元の形に集まる実験をScienceに報告した。ロボットどうしが通信できるのは、直径の3倍ほどの距離までである。
ぶつからない車。 日産自動車は2009年10月、魚群の行動ルールで群走行するロボットカー「エポロ」をCEATEC JAPAN 2009に出すと発表した。発表資料には、仲間とぶつからないように進む向きを変える衝突回避、距離を一定に保って並ぶ並走、遠すぎる仲間に近づく接近の3つが並ぶ。魚の側線感覚はレーザーレンジファインダーで、視覚はUWB通信で置き換えた。
水族館の渦。 名古屋港水族館の南館2階の黒潮大水槽では、約3万5千匹のマイワシが餌を求めて群れをなし、トルネードのように泳ぐ催しがある。水槽の前では、端の1匹を目で追い、近くの数匹と同じ向きに曲がるかを見るとよい。
シミュレーションでは、次のことも試せる。
- 「離れる」を0にして「ばらばらにする」を押す。多くは1分ほどで、読み出しの「半径8の中の仲間」が一方向の見本の20羽ほどから180羽ほどに増え、三角が重なり合う。このシミュレーションで鳥どうしの間をあけているのは、離れる力だけである。
- 「群がる」と「ばらばら」を見比べる。どちらもは0.1前後と小さいが、群れの数は2つほどと20近くで大きく違う。向きのそろい具合だけでは、群がっているのか散っているのかは分からない。
- を右端のにして、読み出しの残る割合がになることを、1段の平均の式で確かめる。
- 近くの仲間を探すとき、シミュレーションは画面を一辺16以上のマスに分け、自分と隣のマスだけを見る。レイノルズも1987年の論文で、鳥を位置で「ビン」に分ける方法を挙げていた。同じ考え方は衝突判定とすり抜けに、時間の刻み方はオイラー法とルンゲ=クッタ法にある。
テルミニ駅前の空で、1羽が相手にしていたのは6〜7羽だった。数千羽の形は、その小さなつながりが重なってできている。
参考文献
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- C. W. Reynolds, "Flocks, herds, and schools: A distributed behavioral model", Computer Graphics 21(4) (SIGGRAPH '87), 25-34. doi:10.1145/37402.37406
- C. W. Reynolds, "Steering Behaviors For Autonomous Characters", Game Developers Conference 1999. 同 "Boids: Background and Update"(red3d.com)
- M. Ballerini, N. Cabibbo, R. Candelier, A. Cavagna, E. Cisbani, I. Giardina, V. Lecomte, A. Orlandi, G. Parisi, A. Procaccini, M. Viale, V. Zdravkovic, "Interaction ruling animal collective behavior depends on topological rather than metric distance: Evidence from a field study", PNAS 105 (2008), 1232-1237. doi:10.1073/pnas.0711437105
- 青木一郎「魚類の群泳機構のシミュレーションによる検討」『日本水産学会誌』48巻8号(1982年)、1081-1088. doi:10.2331/suisan.48.1081
- G. Grégoire, H. Chaté, "Onset of collective and cohesive motion", Physical Review Letters 92 (2004), 025702. doi:10.1103/PhysRevLett.92.025702
- I. D. Couzin, J. Krause, R. James, G. D. Ruxton, N. R. Franks, "Collective memory and spatial sorting in animal groups", Journal of Theoretical Biology 218 (2002), 1-11. doi:10.1006/jtbi.2002.3065
- G. Vásárhelyi, C. Virágh, G. Somorjai, T. Nepusz, A. E. Eiben, T. Vicsek, "Optimized flocking of autonomous drones in confined environments", Science Robotics 3 (2018), eaat3536. doi:10.1126/scirobotics.aat3536
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- 日産自動車「日産自動車『CEATEC JAPAN 2009』出展概要」(2009年10月1日)
- 名古屋港水族館「イベント」マイワシのトルネード(2026年10月26日に確認)
- The Royal Swedish Academy of Sciences, "The Nobel Prize in Physics 2021", Press release・Popular science background(NobelPrize.org)