割り算では0.83 mm/s
探査機の運動量を、ぶつける相手の質量で割ってみる。質量579.4 kgの探査機が6.1449 km/sで飛び込めば、運動量は約だ。相手の質量 kgで割ると、相手の速さの変化は0.83 mm/sにすぎない。ところが、地上の望遠鏡で測った公転周期の変化から逆算すると、変化は2.70 mm/sあった。
測った変化は割り算の3倍を超える。差を生んだのは、衝突でえぐられて宇宙へ飛び散った岩や砂の反動である。
探査機の名はDART。NASAの二重小惑星進路変更実験の英語の頭文字をとった。2021年11月24日に打ち上げられ、2022年9月26日23時14分(協定世界時)、地球から約1,100万km離れたところで、小惑星ディディモスを回る衛星ディモルフォスに体当たりした。日本時間では27日の朝8時14分にあたる。直径はディモルフォスが約151 m、ディディモスが約761 mで、どちらも地球にぶつかるおそれはない。

探査機はDRACOというカメラを積み、衝突の4時間5分前からは、画像を見て進路を決める自律航法に操縦を任せていた。最後に丸ごと届いた画像は衝突の1.818秒前のもので、1画素が5.5 cmにあたる。衝突の知らせは、ジョンズ・ホプキンス大学応用物理研究所(APL)の管制室から伝えられた。

NASAは衝突の直後、周期は1%ほど、10分前後縮むと見込んでいた。成功の基準は73秒である。10月11日、NASAは11時間55分だった周期が32分縮み、11時間23分になったと発表した。誤差はおよそ±2分で、基準の25倍を超える。発表では、破片の反動を、風船から噴き出す空気が風船を反対向きに進ませる動きにたとえている。
2023年3月1日にNatureが公開した論文で、クリスティーナ・トーマスらは周期の変化を33.0±1.0分(3σ)とし、APLのアンドリュー・チェンらは、そこから運動量増強係数βを求めた。βは、小惑星が受け取った運動量を、探査機が持ち込んだ運動量で割った値にあたる。衛星の密度をディディモスと同じ2,400 kg/m³と置くとβは3.61で、密度を1,500〜3,300 kg/m³の範囲で動かすと、期待値は2.2〜4.9になる。どの密度でも期待値は2を上回り、破片の反動のほうが、探査機そのものの運動量より大きかった。
33分を測った望遠鏡と、ケプラーの比
体当たりで天体の軌道を変える案は、前から検討されてきた。ESAは2001年から小惑星をそらす研究を続け、ドン・キホーテと呼ぶ計画案をまとめた。2005年7月4日には、NASAのディープ・インパクトが約370 kgの衝突体をテンペル第1彗星に撃ち込み、ちりに隠れたクレーターを2011年に探査機スターダストが写した。
日本のはやぶさ2も、2019年4月5日に小惑星リュウグウで衝突の実験をした。小型搭載型衝突装置(SCI)が2 kgの銅の弾を2 km/sで撃ち込み、切り離したカメラDCAM3が約8分間、噴き上がる破片の幕を撮った。できたクレーターは直径約14.5 mで、JAXAなどの発表によると、地球の上で同じ衝突をした場合の約7倍の大きさだった。SCIの運動量はで、DARTの約890分の1しかない。地下の物質を掘り出し、重力の小さな天体でクレーターがどうできるかを調べるための実験だった。
DARTが2つの小惑星の組をねらったのは、地上から結果を測るためである。この組の光の約96%はディディモスが出している。衛星がディディモスの影に入ったり、ディディモスに影を落としたりすると、組全体の明るさがわずかに下がる。この食の時刻を並べれば公転の周期が分かり、2003年から2022年までの観測で、衝突の前の周期は11.92148時間と決まっていた。

衝突のあと、チリのラス・カンパナス天文台のスウォープ望遠鏡など、4つの天文台の望遠鏡が食を追った。飛び散った破片が日光を返して明るく光ったため、最初の食をとらえたのは衝突から約29.5時間後になった。カリフォルニア州のゴールドストーンでは、衝突の約11時間後からレーダーで2つの天体の間隔を測り、最初の見積もりは−36±15分だった。光の観測だけで解いても、レーダーなどを合わせて解いても、答えは同じ−33.0分になった。

周期を軌道の大きさに結びつけるのは、ヨハネス・ケプラーが1619年の『世界の調和』に書いた比である。周期の2乗は、軌道の長半径の3乗に比例する(ケプラーの第三法則)。

速さの変化を運動量に結びつけるのは、アイザック・ニュートンが1687年の『プリンキピア』の冒頭に置いた運動の法則だ。第2法則の「運動の変化」は、いまの運動量の変化にあたる(運動方程式)。第3法則は作用と反作用を述べ、後ろへ物を投げ出せば、投げた側は前へ押される。1903年、ツィオルコフスキーは同じ考えでロケットの速さの式を導いた(ツィオルコフスキーの公式)。DARTでは、噴き出すガスの役を小惑星の破片が担った。

破片の反動を運動量の式に入れる
衝突は一瞬で終わるので、そのあいだの重力は考えない。衝突の前の衛星と一緒に動く座標で、探査機の質量を、速度を、衛星の質量をとする。衛星にめり込む探査機の質量はの約740万分の1なので、に足さない。
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破片(噴出物)がまとめて持ち去る運動量を、大きさと向きで書く。衝突の前後で、運動量の和は変わらない。
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破片は探査機が来た向きへ飛ぶのでである。破片の運動量を、向きに測った探査機の運動量と比べ、倍率をと書く。
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手順1に代入すると次の式になり、チェンらはこの式でβを定義した。
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破片が探査機の来た向きへまっすぐ戻るならで、式は大きさだけの形になる。なら探査機がめり込んだだけ、なら破片の反動が探査機の運動量と同じ大きさである。
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地上から分かるのは、衛星の進む向きの成分だけである。手順3の両辺との内積をとってβについて解く。と書く。
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次にを周期から出す。2つの天体を点の質量とみると、間隔のところの速さと、軌道の長半径の間には、エネルギーの保存から活力の式が成り立つ。は、2つの質量の和に万有引力定数を掛けた値である。
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衝突は一瞬なのでは変わらない。との小さな変化を比べ、円軌道ので割る。
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ケプラーの第三法則の対数をとり、小さな変化を比べる。速さを落とせば、軌道は縮み、周期も縮む。
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手順3のの成分と手順8を合わせると、周期の変化を、探査機の運動量とβで表す式ができた。
手順7と8の近似は、が小さいほど正確だ。DARTではが約1.5%で、1次の近似のずれは、周期にして1〜2分。チェンらは2つの小惑星を楕円体として数値計算し、速さの変化を2.70 mm/sと求めた。点の質量のまま近似を使わずに解くと、2.86 mm/sになる。
33分からβを逆算する
運動量の保存とケプラーの法則は、高等学校学習指導要領の解説では物理の「様々な運動」で扱う。この2つから導いた証明の手順4と8を使い、測った周期の変化からβを手で求める。
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軌道の速さを、半径1,206 mと周期11.921時間から出す
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周期の変化を周期で割る
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3で割り、速さの変化の割合にする
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軌道の速さを掛ける
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探査機の運動量を出す
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正面の衝突の式をβについて解く
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衛星の質量 kgを代入する
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向きを入れた証明の手順5に、 km/s、 km/s、 km/sを入れる
手順8の2つの値は、チェンらが論文の表に載せた3つのベクトルから計算した。論文の3.61との差の大半は、衛星の質量の置き方から来る。チェンらは衛星を177 m×174 m×116 mの楕円体として体積を出し、密度2,400 kg/m³を掛けた。質量は約 kgで、手順8は3.5になる。論文は、形や間隔、破片の向きのばらつきを10万通り試して、3.61(+0.19、−0.25)を得た。
警告から何年あれば足りるか
軌道に沿った速さをだけ変えると、周期はの割合で変わり、天体は1周ごとに予定の位置からずつずれていく。時間のあいだに周回は回あるので、円軌道で近似すると、ずれは時間に比例する。
警告の仕組みは、すでに動いている。国際小惑星警報ネットワーク(IAWN)は、大きさ10 mを超えるとみられる小惑星が地球にぶつかる確率が1%を超えると、国連宇宙部と宇宙ミッション計画諮問グループ(SMPAG)に知らせる。2025年1月29日の通知は、直径40〜90 mとみられる小惑星2024 YR4が、2032年12月22日にぶつかる確率を1.3%とした。確率は一時3.1%まで上がり、観測が進んだ2月24日の最終通知では0.004%に下がった。
仮にこの小惑星を動かす必要があったとする。7年あれば、地球の半径6,371 kmぶんずらすのに要る速さの変化は、 cm/sである。直径60 m、密度2,000 kg/m³の球なら質量は約 kgで、DARTと同じ探査機をでぶつけると、 cm/sになる。地球の重力で道筋が曲がる分や、ぶつけられる時期の制約は入れていない。円軌道の近似は押してから衝突までに何周もするほど正確になるので、約4年で太陽を回る2024 YR4では目安にとどまる。
NASA科学ミッション本部のトーマス・ザブーケンは衝突の夜、「小惑星の進む道筋を大きく変えるには、速さを少し変えるだけでよい」と語った。その「少し」は、押してから衝突までの時間に反比例し、押すのが遅れるほど大きくなる。
ぶつける前に手で見積もる
例題 1基本一体になる衝突
質量 kgの探査機が、止まって見える質量 kgの小惑星に、6.0 km/sで正面からぶつかり、破片を出さずにめり込んだ。(1)小惑星の速さの変化を求めよ。(2)衝突で失われた運動エネルギーを求めよ。小惑星の重力は考えず、答えは有効数字2桁とする。
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(1)運動量の保存から、一体になった後の速さは次のとおり。
0.60 mm/sである。
(2)なので、失われる運動エネルギーは探査機の運動エネルギーとほぼ同じになる。
例題 2基本破片の反動を足す
例題1と同じ衝突で、破片がまとめて、探査機が来た向きへ kg m/sの運動量を持ち去った。小惑星の速さの変化とβを、有効数字2桁で求めよ。破片の質量は小惑星に比べて無視できるとする。
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探査機の運動量は kg m/sである。運動量の保存から、小惑星が受け取る運動量は、探査機の運動量に破片の反動を足したものになる。
βは受け取った運動量と探査機の運動量の比で、である。
例題 3入試軌道が小さくなると
小天体が、大きな天体のまわりを半径1.20 kmの円軌道で、周期12.0時間で回っている。衝突のあと、軌道の長半径が30 m小さくなった。周期の変化を分の単位で、有効数字2桁で求めよ。のときとしてよい。
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ケプラーの第三法則から、周期は長半径の乗に比例する。
周期は約27分短くなる。
例題 4難関速さを落とすと周期は
質量の天体のまわりを、質量の小天体が半径、速さの円軌道で回っている。ある点で、小天体の速さが進む向きのまま()だけ小さくなった。長半径の楕円軌道の力学的エネルギーがと書けることを使う。(1)新しい長半径について、をの1次まで求めよ。(2)周期12.0時間、半径1.20 km、 mm/sのとき、1次の近似で周期の変化を分の単位で、有効数字2桁で求めよ。
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(1)速さが変わった直後の位置はのままである。力学的エネルギーの式を立て、円軌道のを使う。
(2)円軌道の速さは m/sで、である。(1)とケプラーの第三法則から
近似を使わずに計算すると約−24分で、1次の近似は変化をやや大きめに見積もる。
例題 5大学何年前に押せばよいか
地球と同じ円軌道(半径 km、周期1年)を回る小天体の速さを、軌道に沿って cm/s変えた。(1)周期の変化の大きさを秒の単位で求めよ。(2)5.0年後、小天体は予定の位置から軌道に沿ってどれだけずれるか。1年を sとし、答えは有効数字2桁とする。
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(1)軌道の速さは m/sである。証明の手順8から
(2)1周ごとにずつずれが増え、5.0年で5周する。
約4,700 kmで、地球の半径の4分の3ほどになる。
衝突と軌道の出題
- 2026年 大学入学共通テスト 本試験 物理 第2問 問3・問4:ばねでつないだ2つの小物体を、1つの物体Bとみなす。小物体AがBの一端に弾性衝突したあとの、AとBの間の反発係数の式と、その値が1か1より小さいかを選ぶ(問3)。続けて、衝突直後のBの力学的エネルギーと、ばねの伸びの最大値を選ぶ(問4)。出典は大学入試センター「令和8年度 本試験の問題」。
- 2024年 大学入学共通テスト 本試験 物理 第2問 問4:ペットボトルロケットの探究。短い時間に水を噴き出したロケットの運動量と、噴き出した水の運動量の和が、はじめの運動量に等しいことを表す式を選ぶ。噴き出した物の反動で本体が進む点は、破片の反動と同じである。出典は大学入試センター「令和6年度 本試験の問題」。
- 2026年 物理チャレンジ 第1チャレンジ 理論問題(総合コース) 問25〜問27:低い円軌道から静止軌道へ、楕円の遷移軌道(ホーマン軌道)で移る人工衛星。エネルギーの保存とケプラーの第2法則から遠地点の速さを(問25)、燃料を一度に噴射したときの速度の増加を運動量の保存から求め(問26)、噴射する燃料の割合を選ぶ(問27)。出典は物理オリンピック日本委員会「物理チャレンジ2026 理論問題コンテスト(総合コース)の問題」。
周期のずれは周回ごとに積み上がる
33分は周期の5%にも満たないが、ずれは周回を重ねるほど大きくなる。トーマスらは、9月28日から10月10日までの食の時刻を何周も比べて、周期の変化を分より細かく決めた。
βは、衛星の質量が大きいほど大きくなる(証明の手順5)。衛星の質量を直接測るまでは、βも幅を持ったまま残る。
反動を足して、針を進める
衛星は左回りに回り、探査機が来るのは衛星の進む向きの正面からだ。破片は衛星の進む向きへ飛び、軌道は破線の円から、ぶつかった点がいちばん遠い楕円に変わる。文字盤の太い針が新しい周期で、斜線が縮んだ分である。速さ、破片の反動、衛星の密度を変えて「ぶつけ直す」を押すと、帯の長さと針の位置が変わる。2つの天体を点の質量とみた計算なので、論文の数値計算とは数%ずれる。
衝突の実験から探査機の設計まで
- 物理学 小惑星の表面の強度や空隙率によって、破片の量と速さが変わり、βも変わる。チェンらの論文によると、数値計算と室内の衝突実験は、βをおよそ1〜6と予想していて、DARTの値はその中に入った。ただし、同じβを出す強度と空隙率の組み合わせは1つに決まらない。
- 天文学2つの天体の周期と間隔が分かれば、ケプラーの第三法則から質量の和が出る。周期11.92時間と間隔1.206 kmを入れると、ディディモスの組の質量は約 kgで、デイリーらの値 kgと合う。この組の密度2,400 kg/m³が、チェンらの計算の出発点になった。
- 工学 探査機の設計では、届けたいとβの見込みから、ぶつける質量と速さを決める。チェンらによると、βが2を超えるなら、同じ大きさの探査機で、より短い警告時間でも、より大きな小惑星でもそらせる。
βを決めきるための観測
- 2026年 ラヒル・マカディアら(イリノイ大学、NASAジェット推進研究所など) 恒星の掩蔽22回とレーダーの観測から、DARTがディディモスの組の太陽を回る軌道も変えたことを示した。証明の手順3の左辺を、組の重心の運動量に置き換えると、反動として残るのは組の外まで逃げた破片だけになる。重心の速さの変化は−11.7±1.3 μm/sで、770日の公転周期が0.15秒縮んだ。この反動で決まるβは2.0±0.3、衛星の密度は1,540±220 kg/m³と見積もられた(Science Advances 12, eaea4259)。
- 2024年〜ESAのHera(JAXAが熱赤外カメラTIRIを提供)2024年10月7日に打ち上げられ、2026年10月7日に約23万6,500 km先のディディモスの組を初めてとらえた。ESAの計画では、10月15日と22日の減速の噴射で組に速さを合わせ、11月に到着する。噴射の結果は、10月26日の時点でまだ発表されていない。証明の手順5のβで最も不確かな量は衛星の質量で、Heraはそれを測る。TIRIは、はやぶさ2の熱赤外カメラの設計をもとにした装置で、表面の温度の変わり方から、粒の大きさや空隙率を探る(ESAの装置の解説)。
- 2024年 シャンタヌ・ナイドゥら(NASAジェット推進研究所など)DARTの画像と、地上の光とレーダーの観測を合わせて、衝突の後の軌道と形を解いた。周期は衝突の直後に32分42秒縮み、破片を失い続けた数週間のあとに33分15秒の短縮で落ち着いた。平均の間隔は、解き直した衝突前の1,189 mから37 m縮んで1,152 mになり、に入れるとから約33分の短縮が出る。衛星の形は、つぶれた球から細長い楕円体に変わった(Planetary Science Journal 5, 74)。
- 2027年9月以降に打ち上げNASAのNEO Surveyor危険な小惑星や彗星を見つけるために、NASAが初めて設計した赤外線の宇宙望遠鏡である。暗い小惑星も、日光で温まって赤外線では光って見える。早く見つかるほどのが長くなり、要るは小さくて済む(NASAの解説)。
参考文献
- R. T. Daly et al., "Successful kinetic impact into an asteroid for planetary defence", Nature 616 (2023), 443-447.
- C. A. Thomas et al., "Orbital period change of Dimorphos due to the DART kinetic impact", Nature 616 (2023), 448-451.
- A. F. Cheng et al., "Momentum transfer from the DART mission kinetic impact on asteroid Dimorphos", Nature 616 (2023), 457-460.(日本語の要約は、Natureの日本語サイトの「DARTミッションのキネティック・インパクトで生じた小惑星ディモルフォスへの運動量移行」)
- NASA, "NASA's DART Mission Hits Asteroid in First-Ever Planetary Defense Test"(2022年9月26日); NASA and Johns Hopkins APL, "NASA Confirms DART Mission Impact Changed Asteroid's Motion in Space"(2022年10月11日)
- 宇宙航空研究開発機構ほか「小惑星探査機『はやぶさ2』観測成果論文の Science 誌掲載について」(2020年3月20日); M. Arakawa et al., "An artificial impact on the asteroid (162173) Ryugu formed a crater in the gravity-dominated regime", Science 368 (2020), 67-71.
- R. Makadia et al., "Direct detection of an asteroid's heliocentric deflection: The Didymos system after DART", Science Advances 12 (2026), eaea4259; S. P. Naidu et al., "Orbital and Physical Characterization of Asteroid Dimorphos Following the DART Impact", The Planetary Science Journal 5 (2024), 74.
- ESA, "Destination sighted: Hera's first glimpse of Didymos"(2026年10月), "Braking news! Time for ESA's Hera asteroid mission to go slow"(2026年10月), "Asteroid Impact Deflection Assessment (AIDA) collaboration"; IAWN, "Potential Asteroid Impact Notification: 2024 YR4"(2025年1月29日)と "Final Notification"(2025年2月24日)