裂いて、回して、重ね直す
グラフェンの薄片を1枚、半分に裂く。片方を1.2〜1.3°だけ手で回し、もう片方に重ね直す。2018年3月にマサチューセッツ工科大学(MIT)のチームが『ネイチャー』に発表した試料は、こうして作られた。電子の数を変えていくと、この炭素の2枚はある数で絶縁体になり、そこから少しずらすと超伝導体になる。ねじれが1.1°前後になると、炭素の並びが作る13 nmの模様の中で電子の速度がほぼ0まで落ち、電子どうしの反発が運動エネルギーに勝つからだ。
「回転の角度が0.2°ずれただけで、物理はすべて消えてしまう」。研究を率いたパブロ・ハリージョ=エレーロは、MITの発表でこう語っている。
道具は、自作の微動台と、高分子を貼ったガラス板である。90 °Cで窒化ホウ素の薄片を拾い、室温で窒化ホウ素とグラフェンのあいだのファンデルワールス力を使って、グラフェンを裂き取る。同時に載った絶縁体の論文には、狙う角度より0.2〜0.3°大きく回すと書かれている。もう1枚の窒化ホウ素で下から包み、160 °Cで金属のゲートに降ろしたら、あとは熱処理をしない。高温にすると、ねじれのない安定な重なりへ戻ろうとするからである。

希釈冷凍機で約70 mKまで冷やすと、ねじれ1.05°と1.16°の2つの試料で電気抵抗が0になった。超伝導転移温度はそれぞれ1.7 Kと0.5 Kである。ゲート電圧で動かす電子は電荷中性点から測って1.2×10¹² cm⁻²ほどで、LaAlO₃/SrTiO₃界面の超伝導に要する1.5×10¹³ cm⁻²より1桁少ない。ただ、なぜ電子が対を作るのかは、2026年の今も決着していない。

見つかったのは、2017年の夏である。科学メディア『クアンタ・マガジン』の2019年の記事によると、MITの大学院で3年目に入っていた21歳のユアン・ツァオが、電場で絶縁体に変わる試料をハリージョ=エレーロのもとへ持ってきた。電場をさらに強めると、試料は超伝導体に変わった。研究室はそこから半年を再現と測定に費やし、結果を外に伏せた。公表の前にメールで知らせを受けた理論家のアラン・マクドナルドは、「信じられなかった」と語っている。
試料を上下から挟む窒化ホウ素にも、別の偶然がある。2本の論文の共著者には、物質・材料研究機構(NIMS、茨城県つくば市)の渡邊賢司と谷口尚が名を連ね、絶縁体の論文の著者の欄には、2人が窒化ホウ素の試料を提供したとある。高エネルギー加速器研究機構(KEK)の紹介記事によると、谷口の本命は立方晶窒化ホウ素で、それを作る過程で純度の上がった六方晶の結晶に、後輩の渡邊が目を留めた。やがてこの結晶がグラフェンの土台に最適だと分かり、NIMSによると2人は世界40か国の約400の研究グループへ試料を提供してきた。共同研究の論文は累計2,300報以上にのぼる。KEKの記事は「世界中の研究者がその小包を待ちわびる」と書く。

査読で落とされた計算
では、1.1°という数字はどこから来たのか。
出発点は、同じ模様を少しねじって重ねたときに現れる大きなうねり、モアレである。網戸を2枚重ねて少し回せば、手元でも見える。黒鉛の表面では、1993年に走査トンネル顕微鏡で写っていた。2007年にはロペス・ドス・サントスらが、ねじれた2層のグラフェンでは電子の速度が落ちると計算する。それでも、角度を減らせば速度は素直に下がり続けると思われていた。
2010年9月、テキサス大学オースティン校のラフィ・ビストリッツァーとアラン・マクドナルドが原稿を公開した。半端な角度では2枚の原子の並びが厳密には繰り返さず、結晶の計算の土台であるブロッホの定理が使えない。2人は層間の飛び移りを3つの波数で書く連続体模型を作り、模様の周期だけで計算できるようにした。行列の大きさは、原子を1つずつ扱う計算のおよそ1000分の1で済む。
しかし解いてみると、速度は約1.05°で0を横切った。
さらに0.5°、0.35°、0.24°、0.2°でも0になる。2人はこのとびとびの角度を「魔法の角度」と呼んだ。日本語では魔法角とも呼ぶ。この角度では、エネルギーが波数でほとんど変わらない平坦バンドが現れる。
ところが、論文はすぐには通らなかった。『クアンタ』によると、査読者は単純化の仮定をありそうにないと見て、いくつもの雑誌が掲載を断り、2011年7月に『米国科学アカデミー紀要』に載った。実験家の反応も鈍い。コロンビア大学のコーリー・ディーンは「仮説のように感じたので、脇に置いた」と語り、ハーバード大学のフィリップ・キムは「アランの理論は単純すぎると思った」と語っている。
原稿の結びで2人は、無視した電子間相互作用が、電荷中性の系なら魔法角で「確実に重要になる」と書いた。起こりそうなこととして挙げたのは対向流の超流動と平坦バンドの磁性で、超伝導の語はない。マクドナルドは「超伝導はいちばん見たいものだが、予言する度胸はなかった」と振り返る。
追い続けたのが、ハリージョ=エレーロである。2014年にも学生が絶縁体らしい試料を持ってきたが、いったん脇に置いた。「面白いものを1度見ただけなら、気に留めない。もう1度見たら、気に留める」。狙った角度で重ねられるようになったのは、2016年に「裂いて重ねる」方法が報告されてからで、チームの精度は0.1〜0.2°に達した。

2020年のウルフ賞物理学部門は、「ねじれ2層グラフェンの先駆的な理論と実験」を理由に、マクドナルド、ビストリッツァー、ハリージョ=エレーロの3人へ贈られた。ビストリッツァーはそのころ、アプライド マテリアルズのイスラエル拠点でアルゴリズムのチームを率いていた。
回転のずれから速度の式へ
頭に掲げた式は2本ある。模様の周期は回転の幾何だけで決まり、速度の比で初めて電子が入ってくる。はグラフェン1枚での電子の速度、はねじった2枚の中の速度である。グラフェンの電子は質量0のディラック方程式と同じ形の式に従い、運動エネルギーは波数に比例する。
直観はこうだ。ねじれが小さいほど、2枚のディラック点は波数空間で近づく。その差の運動エネルギーが層間結合まで下がると、電子は2枚に分かれたままではいられない。まずを導く。平面の点を複素数で表し、上の層を原点のまわりに回す。
-
下の層の点にある原子に対応する上の層の原子は、へ移る。2枚のずれは
-
なので、ずれの大きさは中心からの距離に比例する
中心から距離|z|の原子は、θ回すと弦の長さ2|z|sin(θ/2)だけずれる。ずれが格子定数aに等しくなる距離が、模様の周期Lである。 -
ずれが格子定数に等しくなると、上の原子は下の隣の原子の真上に来て、原点と同じ重なりに戻る。その距離が周期である
-
は隣り合う六角形の中心の距離で、炭素と炭素の距離ではない
-
電子は運動量空間で見る。各層のディラック点は原点からの距離にあり、2枚をねじると同じ弦の式で離れる
-
層1のディラック点の状態は、離れた層2の3つの状態と強さで結合する。をの運動エネルギーの行列(、)、を結合の形を表す2行2列の行列とすると、エネルギー0の解は
中央の黒丸が層1のディラック点の状態で、周りの3つの白丸が層2の状態である。3つとも距離はkθで、結合の強さはwである。 -
とおく。は単位行列の6倍で、だから、波動関数の大きさは
-
小さな波数を加えると、各状態にが足される。行列の恒等式により、の分は符号が逆になる
-
手順7の大きさで割ると、1枚のときと同じ形のハミルトニアンに速度の比が掛かる
はすべての成分が1の行列で、とはその成分に位相を配った行列である。分母は、隣の状態へ広がった分だけ波動関数が薄まることを表す。分子のは、広がった部分が逆向きの速度を持つことを表す。つまりで分子の1とが打ち消し合い、速度は0を横切る。当サイトで8行8列の行列を数値で解き、小さな波数でのエネルギーの傾きを比べると、この式と5桁まで一致した。
残したのはと周りの3つだけで、運動量空間の最初の殻にあたる。原稿には、この近似が最初の魔法角まで、速度をまずまずの精度で再現すると書かれている。原稿はに炭素間距離を使い、周期をと書くが、手順3と同じ値である。
結合の比から1.10°を出す
は、まだ角度の式になっていない。の中のをに置き換え、数を入れる。
-
速度が0になる条件を書く
-
を使ってをで表す
-
について解く
-
原稿がAB積層の実験から定めた層間結合を使う
-
速度は、同じ連続体模型を扱ったタルノポルスキーらの eVから取る。 nm⁻¹で割ると
-
手順3に入れる
-
周期の式を角度について解く
-
グラフェンの速度は、層内の飛び移り積分を使ってと書ける。これを入れると長さが消える(はラジアン)
層内の飛び移り積分tは約2.8 eVで、層間結合wは約0.11 eVである。魔法角は、この比に3/(2π)を掛けた値になる(ラジアン)。
手順3には出てこない。13 nmという大きさはとの比だけで決まり、はそれを角度へ読み替えるときに要る。手順8はマクドナルドがエヴァ・アンドレイとの2020年の総説に書いた形である。層間結合は、層内の飛び移り積分の約25分の1しかない。だから、魔法角は1°ほどの小ささで済む。
ただし、速度の入れ方で値は動く。
| 速度の入れ方 | の角度 | |
|---|---|---|
| eV(タルノポルスキーら) | 0.582 eV nm | 1.10° |
| eV(カストロ・ネトらの総説) | 0.596 eV nm | 1.07° |
| 丸めた m/s | 0.658 eV nm | 0.97° |
速度が1割変わると、角度も1割動く。1行目の値のまま殻を増やして解くと、最初の0は1.05°へ寄る。原稿はの値を書くがの数値は書いていない。1.1°は、この幅を丸めた呼び名と考えるのがよいだろう。実際の試料も、1.05°から1.16°に散らばっていた。
ゲート電圧で角度を読む
分度器では、1.08°と1.16°を見分けられない。そこでチームは角度を、電子の数から読み取った。
模様1つの面積はで、スピンとバレーで4重に縮退したバンドは、模様1つあたり電子4個で満ちる。バンドが満ちる面密度は、をラジアンで測ると
である。ゲート電圧を変えて、電流が流れなくなる面密度を測ればよい。絶縁体の論文の試料D1では cm⁻²で、ここから nm²、 nmとなり、に戻る。
電子の少なさも、同じ計算から分かる。1.1°の模様1つには炭素原子が個、約1万900個入る。電子2個ぶんを動かすと絶縁体になり、超伝導はそのすぐ隣にある。超伝導の論文が量子振動から読み取ったキャリア密度、つまり実際に電気を運ぶ粒子の面密度は cm⁻²で、2層の炭素原子 cm⁻²の約5万分の1にすぎない。
しかも、角度は1枚の試料の中でもそろっていない。ワイツマン科学研究所とMITのウリらは2020年、ナノSQUIDを先端に載せた探針で局所の角度を0.002°より細かく写し取った。超伝導を示す試料でも、角度は0.1°近い幅で散らばっていた。1.1°が1.2°になると、は12.8 nmから11.7 nmへ1割近く縮む。ハリージョ=エレーロはMITの発表で、「ラップの上にラップを重ねるようなものだ」と説明している。
もっとも、角度を外した試料は押せば戻せる。コロンビア大学のヤンコウィッツとカリフォルニア大学サンタバーバラ校の研究者らは2019年、1.27°の試料に静水圧をかけた。常圧では金属のままだった試料が、約1.3 GPaで転移温度3 Kを超える超伝導体になる。層が近づいてが増えるためで、の式に入れると、1.27°に合うは110 meVの約15%増しの127 meVになる。
13 nmと1万個を手で出す
例題 1基本模様の周期
格子定数 nmとする。(1)との周期を求めよ。(2)の代わりに炭素間距離0.142 nmを入れてしまうと、1.1°のはいくつになるか。(3)網目の間隔が2 mmの網戸を2枚、1.1°ねじって重ねると、うねりの周期はいくつか。、とする。
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(1)に入れる。
(2)
実際の12.8 nmのに縮む。
(3)網目は正方形でも、ずれの大きさは同じ弦の式で決まる。
約10 cmのうねりで、手元の網でも見える大きさである。
例題 2入試模様1つに入る原子と電子
では nmである。(1)模様1つの面積を求めよ。(2)グラフェン1層の単位胞は面積で炭素原子2個を含む。2層で模様1つに入る炭素原子の数を求めよ。(3)模様1つに電子4個が入る面密度をcm⁻²で求めよ。
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(1)
(2)面積の比はで、1層あたり単位胞ごとに2個、2層で4個になる。
約1万1300個である。
(3)1 nm² = 10⁻¹⁴ cm²なので
絶縁体の論文が試料D1で測った値と同じになる。
例題 3入試圧力で補う結合
eVとする。条件はと書ける。で条件を満たすを求め、110 meVと比べよ。とする。
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なので
127 meVで、110 meVの1.15倍である。層の間隔を縮めて結合をこれだけ強めれば、1.27°の試料も魔法角と同じに届く。
例題 4大学2007年の式と2011年の式
(1)をの1次まで展開せよ。(2)()で2つの式の値を比べよ。(3)展開した式が0になる角度を求めよ。 eV、 eVとする。
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(1)を掛ける。
ロペス・ドス・サントスらが2007年に得た形である。
(2)
2°ですでに5倍近く違う。
(3)である。から
展開した式のままなら、速度は1.9°付近で0になるように見える。分母のを展開せずに残して、初めて1.1°が出る。
例題 5大学3層の魔法角
鏡映対称に重ねた3層のねじれグラフェンでは、平坦バンドの部分が、結合を倍した2層の模型に帰着する。(1)2層の魔法角を1.10°として、3層の魔法角を求めよ。(2)そのときの周期を求めよ。
解説を見る
(1)なので、同じに必要なが倍になる。小さい角度でははに比例するから
(2)
裂く手順と速度の0
④の窒化ホウ素は厚さ10〜30 nmある。ねじれた2枚は、合わせて原子2層ぶんしかない。
実線は当サイトが622個の運動量の点で解き直したもので、0を横切るは0.605、1.28、1.82、2.71、3.29だった。点を868個に増やしても、この値は変わらない。 meV、 eVで角度に直すと1.05°、0.50°、0.35°、0.24°、0.19°になり、原稿が挙げた1.05°、0.5°、0.35°、0.24°、0.2°とそろう。1つ目の0を過ぎると、速度は逆向きになり、大きさも元の3割ほどまでしか戻らない。
つまみを回して模様を伸ばす
炭素の六角形は実際の比のまま、2枚とも描いた。角度を下げると、丸で囲んだAAの点の間隔が伸び、1.1°で12.8 nmに達する。「上の層を重ねる」を切ると、残るのは1枚の六角形の網だけで、模様は消える。
模様をたたくと、右下の窓にその場所の原子の重なりが拡大される。AAでは原子が真上に重なり、ABでは半分の原子が六角形の中心に来る。「上の層を下へずらす」を格子定数1つ分動かすと、模様はそれと直角の右へ周期だけ動く。1.1°では、ずれが52倍に拡大されて見える。下のグラフの破線は最初の殻の式ので、数値は「結合の比から1.10°を出す」のとを使った。
固有値を解く数学、結晶を選ぶ化学
- 数学 魔法角の並びを固有値の問題として調べるとき、AAの結合を0にしたカイラル模型を使う。タルノポルスキーらは2019年、から約3/2の間隔で魔法角が並ぶことと、完全に平坦なバンドの波動関数がテータ関数の比でできた二重周期関数と結びつくことを示した。ベッカーらは2022年にスペクトルによる特徴づけを与え、作用素が非エルミートであることが解析の要になると示した。
- 物理学 銅酸化物の高温超伝導の謎を調べるとき、電圧だけで状態を切り替えられる試験台に使う。ハリージョ=エレーロは「ふつうは相ごとに別の材料を育てなければならない」と語り、1つの試料の中で電気的に調べられる利点を挙げる。超伝導の論文は、転移温度とボース・アインシュタイン凝縮の温度の比を最大0.37と見積もった。銅酸化物などの0.1〜0.2を上回る値である。
- 化学 ねじる結晶を選ぶとき、格子定数と層間結合が材料ごとに変わる。二テルル化モリブデンでは nmなので、周期はで約5.5 nmになる。ワシントン大学のパークらは2023年、この角度の試料で、磁場をかけずに量子ホール効果と同じ分数の段(分数量子異常ホール効果)を電気測定で観測した。
- 工学 光子1個を検出するセンサーを作るとき、電子の少なさを使う。ミュンヘン大学のディ・バッティスタらは2024年、16 µm²の試料が赤外線の光子1個を吸収しただけで超伝導を失うことを示した。キャリア密度が従来の超伝導体より5桁低く、電子の熱容量がきわめて小さいためである。
1.1°の次に試されていること
- 2021年MIT(パーク、ツァオ、ハリージョ=エレーロら): 上と下の層をそろえ、真ん中だけをねじった3層で超伝導を示した。論文によると平坦バンドの部分は、ねじれ角が倍小さく見える2層と同じ形になり、魔法角はへ上がる。1.57°の試料で、BKT転移温度は約2.1 Kだった。出典はParkほか, Nature 590(2021), 249-255。
- 2021年 名古屋大学とMITなど: 乗松航らは、炭化ケイ素の熱分解で作ったグラフェンを転写して、3×5 mm²以上のねじれ2層を作った。機械的にはがした試料の数千倍の面積で、角度分解光電子分光で平坦バンドを直接観察している。 nmの模様に直すと、1枚に約1000億個が並ぶ。出典は名古屋大学の発表(2021年12月)。
- 2025年MITと東京大学物性研究所(ミウコ・タナカ、オリバー、ハリージョ=エレーロら): マイクロ波の回路で運動インダクタンスを測り、超流動剛性を直接求めた。フェルミ液体の理論でははに比例し、で質量が重くなれば小さくなるはずだが、測った値はそれより大幅に大きく、量子幾何の寄与を入れた理論の予想に近かった。出典はTanakaほか, Nature 638(2025), 99-105。
- 2026年 マンチェスター大学など(バリエ、ガイム、ベルデュギンら): 魔法角の2層のすぐ隣に、電気的には切り離した別の2層を置き、そちらの電子を増やして反発を遮蔽した。ねじれの角度を変えずに電子間の反発だけを弱めると、超伝導も絶縁体も消えた。論文はこれを、通常と違う電子対の仕組みを強く支持する結果と位置づける。出典はBarrierほか, Physical Review X 16(2026), 031040。
参考文献
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- Y. Cao et al., "Unconventional superconductivity in magic-angle graphene superlattices", Nature 556 (2018), 43-50(arXiv:1803.02342); Y. Cao et al., "Correlated insulator behaviour at half-filling in magic-angle graphene superlattices", Nature 556 (2018), 80-84(arXiv:1802.00553); MIT News「Insulator or superconductor? Physicists find graphene is both」(2018年3月5日).
- D. H. Freedman, "With a Simple Twist, a 'Magic' Material Is Now the Big Thing in Physics", Quanta Magazine(2019年4月30日); Wolf Foundation「Rafi Bistritzer」; MIT News「Pablo Jarillo-Herrero wins Wolf Prize for groundbreaking work on twistronics」(2020年1月16日).
- 物質・材料研究機構「谷口尚氏・渡邊賢司氏が2024年度 朝日賞を受賞」(2025年1月1日); 高エネルギー加速器研究機構「立方晶窒化ホウ素c-BNに魅せられて」.
- Z. Y. Rong, P. Kuiper, Physical Review B 48 (1993), 17427-17431; J. M. B. Lopes dos Santos, N. M. R. Peres, A. H. Castro Neto, "Graphene Bilayer with a Twist: Electronic Structure", Physical Review Letters 99 (2007), 256802; K. Kim et al., "van der Waals Heterostructures with High Accuracy Rotational Alignment", Nano Letters 16 (2016), 1989-1995; Y. Cao et al., Physical Review Letters 117 (2016), 116804.
- G. Tarnopolsky, A. J. Kruchkov, A. Vishwanath, "Origin of Magic Angles in Twisted Bilayer Graphene", Physical Review Letters 122 (2019), 106405(arXiv:1808.05250); S. Becker et al., "Mathematics of magic angles in a model of twisted bilayer graphene", Probability and Mathematical Physics 3 (2022), 69-103; E. Y. Andrei, A. H. MacDonald, "Graphene bilayers with a twist", Nature Materials 19 (2020), 1265-1275(arXiv:2008.08129); A. H. Castro Neto et al., "The electronic properties of graphene", Reviews of Modern Physics 81 (2009), 109-162(arXiv:0709.1163).
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