170人の内訳
有効率95%と聞くと、打った100人のうち95人が守られる、と読みたくなる。そうではない。打った人の発症率が、偽薬を打った人の発症率より95%低い、つまりおよそ20分の1だったという数である。試験では、そのあいだに発症した170人がワクチン群と偽薬群にどう分かれたかから、この95%が出てきた。
試験は2020年7月27日に始まった。ファイザーとビオンテックは、アメリカやアルゼンチンなど6か国の152か所で、16歳以上の4万3548人を無作為に2つの群に分けた。片方には3週間をあけてワクチンを2回、もう片方には生理食塩水を2回打つ。どちらを打ったかは、本人にも、体調を見る医療者にも知らされない。
数える発症者の決まりも、始める前に決めてあった。発熱やせき、味覚や嗅覚の消失などの症状が1つ以上あり、鼻のぬぐい液の核酸増幅検査で新型コロナウイルスが見つかった人である。それも、2回目の接種から7日たってから発症した人に限る。

計画書では、最終の解析は発症者が164人集まったところで行う。途中に中間解析も置かれ、医薬品医療機器総合機構の審査報告によれば、1回目は94人の時点で行われた。11月14日のデータの締め切りまでに、発症者は170人になった。
内訳は、ワクチン群が8人、偽薬群が162人だった。
観察の長さを数えた人はどちらの群も1万7千人台で、1人を見守った長さは平均46日ほどになる。1人を1年見守ると1人年と数えるので、観察の長さはワクチン群が2214人年、偽薬群が2222人年だった。発症者の数をこの人年で割って比べると、論文の有効率95.0%が出る。論文は12月10日、米医学誌『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』に載った。
日本では、厚生労働省が2021年2月14日に、16歳以上を対象としてこのワクチンを特例承認した。国内の試験は160人で抗体のでき方と安全性を調べたもので、発症を防ぐ効き目は、海外のこの試験の結果で評価された。
修飾ウリジンと30%の線
このワクチンの日本での一般名は「コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン(SARS-CoV-2)」という。名前にある「修飾ウリジン」は、2023年のノーベル生理学・医学賞が受賞理由に挙げた「塩基修飾に関する発見」から生まれた。
mRNAは、A、U、G、Cの4種類の塩基を並べた分子で、細胞はその並びを読んでたんぱく質を作る。1980年代には、試験管の中でmRNAを作れるようになった。ところが、作ったmRNAを細胞に入れると炎症が起きてしまう。カロリンスカ研究所のノーベル会議の発表によると、ハンガリー出身の生化学者カタリン・カリコは、1990年代の初めからペンシルベニア大学で、mRNAを治療に使う研究を続けていた。研究費の申請は、なかなか認められなかった。そこへ同じ大学の免疫学者ドリュー・ワイスマンが加わり、2人の共同研究が始まる。
2人が目を付けたのは、免疫の見張り役である樹状細胞の反応の違いだった。試験管で作ったmRNAは異物とみなすのに、哺乳類の細胞のmRNAには反応しない。哺乳類のRNAでは、塩基の一部が化学的に変わっている。2005年8月に学術誌『イミュニティ』に載った論文では、ウリジンをシュードウリジンに替えるなどして塩基を変えると、樹状細胞の反応はほとんど起きなかった。2008年の論文で2人は、シュードウリジンを入れたmRNAのほうがたんぱく質を多く作ることも報告した。

審査報告によると、このワクチンのmRNAは4284個のヌクレオチドからなり、ウリジンはすべてN1-メチルシュードウリジンに置き換えてある。2023年10月2日、ノーベル会議は2人に生理学・医学賞を贈ると発表した。その朝の電話の取材でワイスマンは、「2人とも眠りが浅くて、たいてい朝の3時から5時ごろに、新しい考えをメールで送り合っていた」と語っている。

では、試験はどこまで差が出れば「効いた」と言えるのか。線は、始める前に計画書に引いてあった。審査報告によれば、30%の線はアメリカ食品医薬品局の指針に基づく。指針は、有効率の信頼区間の下限が30%を上回ることを、統計的な成功の基準に挙げていた。計画書は、有効率が30%を上回る事後確率が、最終の解析で98.6%を超えれば成功とした。164人のうちワクチン群が53人以下なら、この線を越える計算になる。
事前分布も先に決めてあった。発症者に占めるワクチン群の割合をとし、ベータ分布を置く。平均は0.4118で、有効率に直すとちょうど30%になる。計画書はこの事前分布を「ほとんど情報を持たない」ものとし、中心は「悲観的と考えられる」と書いている。幅は広く取ったまま、中心だけを効き目の弱い側に置いて出発する設計だった。
発症率の比から信用区間まで
ワクチン群と偽薬群の観察の長さを人年で、、発症者の数を、、本当の発症率を、とする。
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有効率は、発症率の比(IRR)を1から引いた数と定める。
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2つの群の観察の長さがほぼ等しいと、人年は約分されて消え、発症者の数の比が残る。
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発症はまれで、1人ずつ独立に起きるとみなすと、各群の発症者の数はポアソン分布に従う。
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合計のが分かったとき、は二項分布になる。人の1人ずつが、確率でワクチン群の側に入る。
観察の長さがほぼ同じ2本の帯の上で、発症がばらばらに起きる。上の帯に8件、下の帯に162件。合計の170件が決まると、1件ずつが上の帯に入る確率θだけが残る。 -
とおき、分母と分子をで割る。なので、は有効率だけで書ける。
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とおいてについて解くと、計画書の式になる。
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事前分布に二項分布の尤度を掛ける。の指数が足されるだけなので、事後分布もベータ分布になる。ベイズの定理の分母は、によらない定数である。
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計画書の、に、試験の8人と162人を入れる。
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事後分布の2.5%点と97.5%点が、の95%信用区間になる。はが増えると減るので、両端を入れ替えて写す。
論文が示した区間は90.3〜97.6%である。手順5に人年の比を入れると、下の端が90.35%から90.32%に動き、論文の値になる。有効率が30%を上回ることはと同じで、その事後確率は0.9999を超えた。しかも手順4から先の式には、発症しなかった数万人が出てこない。区間の幅を決めるのは参加者の数ではなく、発症者の170という数である。
8人と162人を手で割る
標本から母集団の割合を幅をもって見積もる区間推定は、高校の数学B「統計的な推測」で学ぶ。学習指導要領は、正規分布を用いた区間推定と仮説検定の方法をその内容に挙げている。ここでは教科書と同じ正規分布の近似で、論文の区間を手で見積もる。ベータ分布の信用区間は大学で学ぶもので考え方が違うが、値の近さは比べられる。
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ワクチン群で、1000人年あたりの発症率を出す
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偽薬群で、1000人年あたりの発症率を出す
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2つの発症率の比をとる
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1から引いて有効率にする
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発症者に占めるワクチン群の割合を出す
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標本の割合の標準偏差を見積もる
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1.96倍の幅をとっての区間を作る
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両端をに入れる
ワクチン群と偽薬群がおよそ1対20に分かれるときの有効率の95%信用区間で、発症者が170人なら90.4〜97.6%、4倍の680人なら93.0〜96.6%と、幅がほぼ半分になる。 -
発症者を4倍の680人にしたときの標準偏差を出す
手順8の近似は91.4〜98.5%で、論文の90.3〜97.6%より全体に上へずれる。ただ、これは計算の誤りではない。ワクチン群の発症者が8人しかいないと、の分布は0の側で詰まり、右に長く裾を引く。左右対称の正規分布では、その偏りを表せないのである。手順9の標準偏差は手順6のちょうど半分で、区間の幅はに比例して縮む。同じ1対20の比で発症者が680人になれば、近似とベータ分布の区間の差は0.3ポイントほどに縮む。
1人と3人では決められない
同じ試験の重症者の数は、区間の広さをはっきり見せる。審査報告によると、2回目の7日後以降に重症になったのは、ワクチン群で1人、偽薬群で3人だった。点推定の有効率は66.4%だが、95%信用区間は−124.8〜96.3%に広がり、有効率が30%を上回る事後確率は74.29%にとどまった。基準の98.6%には届かない。審査報告は、重症化を防ぐ効き目はこの結果からは確認できていないとし、その理由を重症の人が少なかったことに求めている。
年齢で分けた数も同じ形をしている。論文の表では、75歳以上はワクチン群が0人、偽薬群が5人で、点推定は100.0%になる。ところが95%信頼区間は−13.1〜100.0%で、下の端は0を割り込む。170人の全体では区間の幅は7ポイントほどだった。件数が数人になると、幅は桁違いに広がる。
有効率は比なので、両方の群の発症率が同じ倍率で変われば、値は変わらない。偽薬群で発症したのは1万7511人のうち162人、0.93%だった。ワクチン群は1万7411人のうち8人、0.046%である。差は0.88ポイントで、この観察の期間では114人あたり1人の発症の差にあたる。偽薬群の0.93%は、その時期の流行の勢いで決まる。流行の広がり方はSIRモデルで考える。両方の群で発症率が2倍になると、比の0.05は同じまま、差は2倍になる。同じ8人と162人から、95%と0.88ポイントという、別の問いへの2つの答えが出てくる。
人年で割り、区間を見積もる
例題 1基本人年で割る
ある試験で、ワクチン群は合計4000人年を観察して12人が発症し、偽薬群は5000人年を観察して60人が発症した。有効率を求めよ。また、発症者の数の比をそのまま使うと、有効率はいくつと出るか。
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1000人年あたりの発症率は、ワクチン群が、偽薬群がである。
有効率は75%である。人数の比を使うとで、80%と高めに出る。ワクチン群の観察が短いぶん、発症者が少なく見えるからである。試験でをそのまま使えたのは、2つの群の人年が2214と2222でほぼ等しかったからだ。
例題 2基本θと有効率を行き来する
(1)2つの群の人年が等しく、本当の有効率が90%のとき、発症者に占めるワクチン群の割合を求めよ。(2)人年が等しい試験で、発症者100人のうち20人がワクチン群だったとき、有効率を求めよ。(3)ワクチン群の人年が偽薬群の2倍で、本当の有効率が90%のとき、を求めよ。
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(1)証明の手順5で、とおく。
(2)を手順6の式に入れる。
(3)とおく。
観察が長いぶん、同じ有効率でもワクチン群の発症者の割合は大きくなる。
例題 3入試正規分布で区間を見積もる
ある試験で発症者は900人で、そのうち90人がワクチン群だった。2つの群の人年は等しいとする。(1)発症者に占めるワクチン群の割合について、信頼度95%の信頼区間を正規分布の近似で求めよ。(2)(1)の両端を有効率に直せ。(3)区間の幅を半分にするには、発症者は何人必要か。
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(1)で、標本の割合の標準偏差は
区間はで、である。
(2)はの減少関数なので、両端を入れ替えて写す。
有効率はおよそ86.4〜91.3%で、点推定はである。
(3)幅はに比例するので、半分にするにはを4倍の3600人にする。
例題 4入試偶然でこれほど偏るか
2つの群の人年が等しい試験で、発症者100人のうちワクチン群は35人だった。ワクチンに効き目がまったくない、つまり有効率0という帰無仮説を、有意水準5%の片側検定で調べよ。正規分布の近似を使い、とする。
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有効率0なら、手順6からである。標本の割合は、近似的に平均0.5、標準偏差
の正規分布に従う。観測したを標準化すると
で、0.13%は5%より小さい。帰無仮説は棄却され、有効率は0より大きいと判断できる。試験の170人中8人を同じように標準化すると、はおよそになる。
例題 5大学ベータ分布の確率を二項分布で数える
事前分布を一様分布とし、人年の等しい2つの群で、ワクチン群2人、偽薬群18人の発症を観測した。(1)の事後分布を求めよ。(2)事後分布の平均をに入れたときの有効率を求めよ。(3)有効率が0を上回る事後確率を、次の関係を使って求めよ。、が自然数のとき、に従うについて
解説を見る
(1)証明の手順7から、である。
(2)の平均はなのでで、
(3)、とおくと、和はからまでになる。全体からの分を引く。
この関係は、0と1のあいだの一様な乱数を21個とったとき、小さいほうから3番目が以下になることと、以下の乱数が3個以上あることが同じ出来事だから成り立つ。和の各項は、二項定理でを展開した項である。
同じ0.46でも結論が変わる
- 2026年 大学入学共通テスト 本試験 数学II・数学B・数学C第5問:資格試験の合格率が0.4より高いかを、有意水準5%で検定する。標本の割合が近似的に正規分布に従うことを使い、400人中184人と100人中46人では、同じ0.46でも結論が分かれることを計算で比べる。出典は大学入試センター「令和8年度 本試験の問題」。
- 2024年 大学入学共通テスト 本試験 数学II・数学B第3問:日曜日に晴れる確率を、300週のうち75週が晴れだったデータから区間推定する。値が0か1の確率変数では標本の標準偏差がになることを導いてから、信頼度95%の信頼区間を選ぶ。出典は大学入試センター「令和6年度 本試験の問題」。
170個の点と、θの曲線
曲線はで100%、で0%を通り、傾きはである。が0に近いところでは、が0.01増えると有効率はほぼ1ポイント下がり、の近くでは4ポイント下がる。試験の点は曲線のいちばん緩いところにある。だから、有効率の区間が上に詰まり下に長いのは、主にの事後分布が右に裾を引くせいだ。
偶然で8人まで偏るか
塗った点が実際にワクチン群にいた発症者で、しばらくすると全員が有効率0のときの確率で振り分け直され、左はたいてい半分近くまで埋まる。読み出しの3行目の約1.6×10⁻³⁸は、有効率が0だと仮定したときに8人以下まで偏る確率で、有効率が0である確率ではない。人数のつまみは人年の代わりで、1人を見守る長さは2つの群で同じとみなしている。発症者を2つとも減らすと、同じ比のままでも下の斜線の区間が広がる。
畑の防除価から確率の伝え方まで
- 医学 新しいワクチンや薬の試験で、発症や再発の起きやすさを、比べる群との比で表すときに使う。比が発症率なら、時間を追った危険の比ならと書く。
- 農学 農薬の効き目を畑の試験で示すときに使う。日本植物防疫協会の新農薬実用化試験の試験法では、無処理区の発病を100としたときの処理区の効果を防除価と呼び、100から「処理区の発病÷無処理区の発病×100」を引いて求める。無処理区を偽薬群に置き換えると、有効率と同じ形の式になる。
- 心理学 人が健康の数字をどう受け取るかを調べるときに使う。ギゲレンツァーらは2007年の総説で、乳がん検診で死亡の危険が25%下がるという言い方は1000人のうち1人の差を指すと例を挙げ、相対リスクではなく絶対リスクで示すよう勧めた。
- 情報科学 ウェブの画面の2案を比べるA/Bテストで、クリックや購入の割合を比べるときに使う。それぞれの割合にベータ分布を置き、証明の手順7と同じく件数を足して事後分布を更新する。
試験のあとで有効率を測り直す
- 2021年 クラリット研究所とハーバード大学などの研究チーム接種が始まったイスラエルで、医療保険の加入者の記録を使い、接種した人と、年齢や持病の似た接種していない人を1対1で組にした。追った組は59万6618組にのぼる。観察データで無作為化試験を再現するターゲット・トライアル・エミュレーションの考えで、カプラン・マイヤー法で求めた発症の累積の割合、の比を使い、とする。症状のある発症では、2回目の7日後以降で94%(95%信頼区間87〜98%)だった。出典はDaganほか(NEJM、2021年)。
- **2021〜2023年 国立感染症研究所(今は国立健康危機管理研究機構の一部)**発熱外来などで検査を受ける人に、検査の前に接種歴を尋ねておき、陽性の人を症例、陰性の人を対照として比べる検査陰性デザインの研究を続けた。年齢や持病、医療機関などをロジスティック回帰で調整したオッズ比から、有効率をで出す。デルタ株の時期の第二報では2回接種から14日以降で87%、オミクロン株のBA.5の時期の第五報では2価ワクチンの接種から14日以降で71%だった。どちらも未接種の人と比べた値である。出典は厚生科学審議会の資料の第二報と第五報。
- 2022年 ギルバートら(フレッド・ハッチンソンがん研究センター)と、米国政府・CoVPNの生物統計チームモデルナのmRNAワクチンの第3相試験で、2回目の接種のあとに測った中和抗体価ごとに有効率を推定した。抗体価がの人の発症の危険を偽薬群のと比べ、の形で表す。50%中和抗体価が10、100、1000の人の有効率は、78%、91%、96%と見積もられた。出典はGilbertほか(Science、2022年)。
- **2026年 米国食品医薬品局(FDA)**医薬品の臨床試験でベイズ統計を使うときの指針の案を、1月に公表した。成功の基準は、効果が下限を上回る事後確率がを超えること、とし、全体の第1種の過誤が片側0.025以下になるようを決める方法も示した。BNT162b2の試験の計画書もとし、真の有効率が30%のときに成功と判定する確率が0.025に収まるよう、最終の解析のを0.986に決めていた。出典はFDA「Use of Bayesian Methodology in Clinical Trials of Drug and Biological Products」(2026年1月)。
参考文献
- F. P. Polack, S. J. Thomas, N. Kitchin et al., "Safety and Efficacy of the BNT162b2 mRNA Covid-19 Vaccine", N. Engl. J. Med. 383 (2020), 2603-2615(Europe PMC: PMC7745181)と、同論文の補足資料の試験の計画書(Protocol C4591001・Statistical Analysis PlanのAppendix 2と3).
- K. Karikó, M. Buckstein, H. Ni, D. Weissman, "Suppression of RNA Recognition by Toll-like Receptors: The Impact of Nucleoside Modification and the Evolutionary Origin of RNA", Immunity 23 (2005), 165-175; K. Karikó et al., "Incorporation of pseudouridine into mRNA yields superior nonimmunogenic vector with increased translational capacity and biological stability", Mol. Ther. 16 (2008), 1833-1840.
- The Nobel Assembly at Karolinska Institutet, "Press release: The Nobel Prize in Physiology or Medicine 2023"(2023年10月2日); NobelPrize.org, "Drew Weissman, Interview"(2023年10月の電話の取材).
- 厚生労働省医薬・生活衛生局「審議結果報告書 コミナティ筋注」(2021年2月12日、医薬品医療機器総合機構の特例承認に係る報告書を含む); 同「新型コロナワクチン(コミナティ筋注5〜11歳用)の承認について」(2022年3月18日).
- 国立感染症研究所「新型コロナワクチンの有効性を検討した症例対照研究の暫定報告(第二報)」(2021年11月15日)・「同(第五報)」(2023年1月26日); N. Dagan et al., N. Engl. J. Med. 384 (2021), 1412-1423; P. B. Gilbert et al., Science 375 (2022), 43-50.
- U.S. FDA, "Use of Bayesian Methodology in Clinical Trials of Drug and Biological Products"(Draft Guidance, 2026年1月); G. Gigerenzer, W. Gaissmaier, E. Kurz-Milcke, L. M. Schwartz, S. Woloshin, "Helping Doctors and Patients Make Sense of Health Statistics", Psychol. Sci. Public Interest 8 (2007), 53-96; 日本植物防疫協会『新農薬実用化試験 試験法』(2026年).
- 文部科学省『高等学校学習指導要領(平成30年告示)』、数学B「統計的な推測」; 大学入試センター「令和6年度・令和8年度 本試験の問題」.