リンゴと携帯電話を比べる
地球の上にあるものを、生き物と、人が作ったものとに分けて重さを比べたら、どちらが重いのか。答えは「ほぼ同じ」で、しかもちょうど入れ替わる時期に来ている。水を除いた乾いた重さで、どちらも約1.1兆トンだ。
2020年12月9日、イスラエルのワイツマン科学研究所で、植物・環境科学科のロン・ミロの研究室にいたエミリー・エルハハムらが、この比較を『ネイチャー』に発表した。要旨によると、人が作ったものの重さは近年およそ20年ごとに倍になっていて、2020年(±6年)に地球の生き物すべての重さを超える。世界の人口で割ると、1人あたり自分の体重より多い人工物が、毎週作られている計算になるという。
研究所の発表では、20世紀の初め、人工物の重さは生き物の3%ほどしかなかった。その後の120年で人の数は4倍になったが、作るものはそれをはるかに上回る速さで増えた。

比べにくいものを比べている自覚は、著者たちにもあった。エルハハムは研究所の広報誌で、「リンゴとオレンジを比べる話を越えて、リンゴと携帯電話を比べている」と話している。ミロは発表で、私たちの足跡が「靴のサイズ」をどこまではみ出しているかを示した研究だと語った。
では、2020年という年はどうやって決まったのか。片方の重さはほとんど動かず、もう片方は倍、倍と増える。この2本の線なら、交わる年は対数を1回とるだけで出る。
ただし、この年は数え方で動く。著者たちが公開した計算では、生き物に体の水まで含めると2037年(±10年)、取り壊したり使わなくなったりした物も人工物に数えると2013年(±5年)になる。動く幅にも、式で説明のつく決まりがある。
炭素で数えた生き物、トンで数えた建物
生き物の重さを量る土台になったのは、地球の生き物の国勢調査である。同じ研究室のイノン・バーオンが2018年5月に、『米国科学アカデミー紀要(PNAS)』に出した。共著者は、カリフォルニア工科大学のロブ・フィリップスとミロだった。
バーオンらは、植物、細菌、菌類、動物などの群ごとに、数や密度の調査を積み上げ、重さを炭素の重さで表した。合計は炭素で約5500億トン。その約8割の4500億トンが植物で、ほとんどが陸にある。次が細菌の700億トンで、全体の約15%を占める。動物はすべて合わせても20億トンしかない。人は6000万トン、家畜は1億トン、野生の哺乳類は700万トン。全体で割ると人は0.01%ほどにすぎないが、論文は、人の重さが野生の哺乳類すべてより1桁大きいと書いている。
炭素で数えたのは、体の水の量に左右されないからだ。水の割合は、生き物の種類や部位でまるで違う。論文は、炭素の重さをおよそ2倍すれば乾いた重さになるとも書いている。5500億トンの2倍が、約1.1兆トンである。

その植物の量にも、すでに人の手が深く入っている。論文が引く見積もりでは、植物の総量は、文明が始まる前のおよそ半分に減った。地球の生き物の重さは、ほぼ植物の重さで決まる。
人工物の側の数字は、産業エコロジーという分野から来た。社会が掘り出し、ため込み、捨てる物の流れを量で追う分野である。ウィーンの社会生態学研究所のフリドリン・クラウスマンらは2017年、建物やインフラ、機械にたまった物の量を1900年から追い、2010年には7920億トン(±5%)と、110年で23倍になったと示した。名古屋大学の谷川寛樹らも共著者に入っている。世界で毎年掘り出す資源の約半分が、この蓄えを増やしたり作り直したりするのに使われていたという。
研究所の発表によると、人工物が急に増え始めたのは、コンクリートや骨材が広く使えるようになった1950年代からだ。

そこでエルハハムらは、クラウスマンらが2018年に更新したデータを使い、人工物を「人が作った、生きていない固体の物のうち、まだ取り壊したり使うのをやめたりしていないもの」と定義した。中身は、コンクリート、砂利や砂などの骨材、れんが、アスファルト、金属、それに木材と紙、ガラス、プラスチックをまとめた「そのほか」の6つである。
生き物の側では、2010年の植物を炭素で4500億トンとし、地下深くの細菌と古細菌を新しい研究で小さく直して、植物以外を約480億トンとした。炭素から乾いた重さへの換算には、森や草原の葉、幹、根の炭素の割合から出した2.25倍を使っている。億トンで、2018年の「2倍」とは別の道筋から、同じ約1.1兆トンに着いた。1900年からの変化は、15の植生モデルの平均などで追っている。
交わる年の幅は、1万回のモンテカルロ計算で出した。植物の量、植物以外の量、換算の係数、人工物の量を、それぞれの幅の中でばらつかせ、そのたびに交わる年を求める。乾いた重さとの交わりは平均が2020年、標準偏差が6年だった。著者たちがGitHubに公開した計算の出力に、そう記されている。
平らな線と倍々の線が交わる年
人工物の重さを、生き物の重さをとする(は西暦の年)。公開データでは、生き物の乾いた重さは1900年の約1.16兆トンから2017年の約1.12兆トンへ、3%あまり減っただけなので、を一定とみる。人工物の重さは厳密な指数関数では増えず、倍になる年数も時代で変わる。ここでは交わる年の前後だけを見て、年ごとに倍になるとおく。
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年の人工物の重さをとし、倍になる年数で書く。
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を使うと、1年あたりの増える割合で書ける。放射性崩壊の半減期を、増える向きにしただけの形である。
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交わる年では、2つの重さが等しい。
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両辺をで割り、2を底とする対数をとる。
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について解く。
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生き物の重さを倍の物差しで量り直すと()、なので、交わる年は次の分だけ遅れる(なら早まる)。
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人工物の側に、その倍の量を足して数えると()、交わる年は早まる。
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生き物の重さの見積もりが割合だけ違うときも、6でとおけばよい。が小さければが使える。
数を入れてみる。公開データでは、2000年末の人工物は約0.57兆トン、生き物は約1.12兆トンだった。年とすると、5から年で、2000年末から数えると2020年ごろになる。公開データを1年ずつ見ても、使用中の人工物は2019年末の1.11兆トンから2020年末の1.15兆トンのあいだで、生き物の1.12兆トンを越える。ただし、2016年からの人工物の値は、著者たちが直前5年の伸び方で延ばしたものである。
6の物差しの替え方が、冒頭の3つの年をつないでいる。水を含む重さは乾いた重さの約2倍なのでで、だから、交わる年はちょうどだけ遅れ、2040年ごろになる。著者たちの2037年(±10年)が少し早いのは、2016年からの延長で倍になる年数が18年ほどに縮んでいるためだ。2013年には、取り壊したり使わなくなったりした物の重さが、使用中の人工物の約28%あった。7にを入れると年で、交わる年は2013年に早まる。
物差しを2倍にしても、ずれるのは年だけ。
つまり、指数で増える量を相手にすると、数え方の違いは「何年早いか遅いか」という小さな差に縮む。8も同じ見方で読める。2010年代の公開データでは、生き物の重さの見積もりの幅は標準偏差で11〜16%あった。なら、交わる年は4.3年遅れるか5.0年早まる。対数のせいで、ずれは前後で少し違う。生き物の重さの不確かさだけで、交わる年は前後に4〜5年動くことになる。論文の±6年は、起源の章で見た1万回の計算から出た値で、この手計算より少し広い。
3%から5回の倍で並ぶ
使う道具は、数学IIの指数関数と対数関数だけである。著者たちの公開データ(年末の値・兆トン。2016年からは著者たちの延長)から、1900年の人工物が生き物に並ぶまでに何回倍になったかを数え、倍になる年数を求める。
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1900年の人工物と生き物の比を出す
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何回倍にすれば1に届くかを、2を底とする対数で数える
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1900年から2020年までの120年を、5回で割る
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2000年末と2020年末の値の比をとる
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20年で約2倍になる量の、倍になる年数を出す
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1年あたりの増える割合に直す
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毎年の割合で増えるとしてを解く
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が小さいときはとする
8は「70の法則」と呼ばれる目安で、年3.5%なら年になる。預金の複利と同じ計算だ。
ところが、3の平均24年と5の近年の20年は一致しない。1900年の0.0356兆トンが倍になったのは1944年で、44年かかっている。そのあとは15〜21年ごとに倍が続き、2000年に16倍、2020年に32倍に届いた。遅い出だしと速い後半をならすと、24年になる。なので、3.1%を5回倍にすると99%に届く。
体重より重い1週間
「毎週、体重より多く」は、どれほどの量なのか。日本の数字で確かめられる。
環境省の物質フローの統計には、「蓄積純増」という欄がある。土木構造物や建築物、耐久財など、すぐには捨てられずに社会にたまる物について、その年に新しくたまった量から、同じ年に捨てたり取り壊したりして廃棄物になった量を引いたものだ。
2024年版の環境白書によると、2021年度の日本の蓄積純増は4.15億トンだった。2021年10月1日の人口1億2550万人で割ると、1人あたり年に3.3トン、週に60 kgあまりになる(当サイトの計算)。バーオンらは人の重さを、大人と子どもをならして1人50 kgとおいている。日本だけで見ても、この重さを週ごとに上回る量が、社会にたまり続けていることになる。
ただ、日本のため込む速さは落ちている。2000年度の蓄積純増は10.7億トンで、21年で4割ほどに減った。世界全体の人工物が20年ごとに倍になる流れとは、向きが違う。人口が減り始めた日本では、ためる量の線が、世界より早く頭打ちに近づいているのかもしれない。
一方、世界のほうは、倍になる年数で先が読める。2020年末の約1.15兆トンから年で延ばすと、2040年には2.3兆トンほどになる。研究所の発表も、2040年には2兆トンを超え、生き物の2倍以上になると見込んでいた。
中身の入れ替わりも大きい。公開データでは、1900年の人工物の約半分は骨材、3割はれんがで、コンクリートは6%あまりだった。2015年にはコンクリートが43%で最大になり、骨材の36%と合わせて8割近い。金属は3.5%にすぎない。重さで見れば、人工物の大半は石と砂。
物差しを替えて交わる年を出す
例題 1基本週あたりの人工物の量
2015年の1年間に、世界で使用中の人工物は約トン増えた。世界の人口を人、1年を52週とする。
(1)1人1週間あたり、何kg増えたか。
(2)人の体重を大人と子どもをならして50 kgとすると、(1)はその何倍か。
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(1)1人1年あたりは
である。52で割って t、つまり約81 kgになる。
(2)で、約1.6倍である。
例題 2基本増える割合から倍になる年数
毎年3.5%ずつ増える量が2倍になるのは、何年後か。、とする。また、70の法則の値と比べよ。
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年後に2倍になるとするとで、両辺の常用対数をとる。
約20年である。70の法則では年で、ほぼ一致する。
例題 3入試物差しで動く交わる年
2000年の人工物の重さを0.56兆トンとし、20年ごとに倍になるとする。生き物の重さは、乾いた重さで1.12兆トンのまま変わらないとする。とする。
(1)人工物の重さが生き物に並ぶ年を求めよ。
(2)生き物の重さを、水を含めて2.24兆トンとすると、並ぶのは何年か。
(3)(1)の人工物に、その28%にあたる廃棄物を足して比べると、並ぶのは何年ごろか。を使ってよい。
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年の人工物の重さは兆トンである。
(1)からで、。2020年である。
(2)から。物差しを2倍にすると、ちょうど倍になる年数の20年だけ遅れる。
(3)から
である。なので、。
2013年ごろで、(1)より約7年早い。
例題 4入試人口で割ったときの倍になる年数
人工物の重さは20年ごとに、人口は50年ごとに倍になるとする。1人あたりの人工物の重さは、何年ごとに倍になるか。
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年後の人工物の重さを、人口をとすると、1人あたりは
である。指数が1になるのはなので、約33年ごとに倍になる。一般に、倍になる年数の逆数どうしを引けばよい。
例題 5難関見積もりの幅と交わる年
倍になる年数を年とする。生き物の重さの見積もりが、16%大きいときと16%小さいときで、交わる年はそれぞれ何年ずれるか。、、とする。また、が小さいときとなることを示し、2つのずれの大きさが違う理由を説明せよ。
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証明の章の手順8からである。
なら年で、4.3年遅れる。なら年で、5.0年早まる。
で、のでの微分係数は1なので、が小さいときとなる。よってで、なら年である。
は上に凸なので、がいつも成り立つ(等号は)。ではずれが1次の近似より小さく、では大きさが近似より大きくなる。小さく見積もった側に、ずれが大きく出る。
れんがの時代からコンクリートの時代へ
縦軸を目盛りどおりに描くと、人工物は1950年までは床に張りついたままで、そこから一気に立ち上がる。2015年には、コンクリートの層だけで生き物の重さの4割に迫る。
線を持ち上げても傾きが変わらなければ、交点は横に一定の年数だけ動く。証明の章の手順6と7は、この平行移動を式で書いたものである。
倍になる年数を動かして交点を追う
年のつまみが1900年から進むと、横ばいの生き物の重さに、人工物の線が下から近づいていく。2015年までは著者たちの公開データで、そこから先は、つまみで選んだ倍になる年数で延ばした当サイトの近似である。倍になる年数を短くすると交点は手前に、長くすると先に動く。数え方を「廃棄物も含む」にすると交点は2013年へ、生き物を「水を含む重さ」にすると2040年へ動き、読み出しに論文の値が並ぶ。
重さで比べる学問
- 生物学 地球の生き物を分類群ごとに数えるとき、個体の数や密度に1個体あたりの炭素の量を掛けて積み上げ、炭素の重さで単位をそろえる。バーオンらの2018年の表は、植物から細菌、人までを同じ物差しに並べた。2023年には同じ研究室が、野生の陸の哺乳類は水を含む重さで約2000万トン、人は約3.9億トンと見積もっている。
- 地球科学 人の活動が地球の姿を変えた時代(人新世)を量で示すとき、人工物の重さを、地質の過程が動かす物の量と並べて比べる。どこまでを人工物に含めるかで交わる年は大きく動く。著者たちが公開した感度分析のデータから求めると、工事で動かした土砂やしゅんせつした泥、鉱山の捨て石まで足した場合、交点は1970年代の半ばまで早まる。
- 経済学 国や世界の経済が資源をどれだけ使ったかを量るとき、物質フロー会計で、掘り出す量、たまる量、捨てる量に分けて記帳する。日本の循環型社会の計画は、GDPを天然資源の投入量で割った資源生産性を目標の指標に置き、2021年度は1トンあたり約45.7万円だった。人工物の重さは、この帳簿の「たまる量」を100年分積み上げた値にあたる。
- 建築 建物にある材料の量を見積もるとき、建物の体積に、構造や用途ごとの材料原単位(1 m³あたりの材料の重さ)を掛けて足し上げる。ハーベルらは、原単位の値をそろえて改良することが、材料の量の地図の精度を上げる大きな課題だと書いている。取り壊した建物から、どれだけの材料を再び使えるかを見込むときにも、同じ計算を使う。
衛星と地図で量り直す
- 2024年 ウィーンのBOKU大学とドイツ航空宇宙センター(DLR)などの研究チーム: 地球観測衛星のデータから建物の体積を世界中90 mの細かさで求め、材料原単位を掛けて、18種類の材料の量を地図にした。世界の建物にある材料は5470億トン(3910億〜6720億トン)で、社会にたまった物の約半分にあたるという。半分という比から全体を逆算すると約1.1兆トンで、エルハハムらのとほぼ同じ規模になる。(出典: Haberlほか「Weighing the global built environment」Journal of Industrial Ecology 29(2025))
- 2025年 欧州宇宙機関(ESA): 4月29日に打ち上げた衛星Biomassは、宇宙で初めてのPバンドの合成開口レーダーで樹冠を通り抜け、幹や枝の量から森にたまった炭素を見積もる。ESAは、このデータで炭素の量の見積もりの不確かさが大きく減るとしている。証明の章の手順8に入れると、生き物の重さの不確かさが16%から8%に縮めば、交わる年の幅は前後4〜5年から2年あまりに狭まる。(出典: ESA「Biomass launched to count forest carbon」2025年4月29日)
- 2024年 国連環境計画(UNEP)の国際資源パネル: 3月1日の「世界資源アウトルック2024」で、世界が掘り出す資源は過去50年で3倍になり、1970年の300億トンから1060億トンに増えたと報告した。1人1日あたりでは23 kgから39 kgに増え、2060年までに全体でさらに6割増える見通しも示している。50年で3倍は、倍になる年数に直すと年で、同じ50年で約6倍になった人工物の蓄えより、伸びはゆるやかだ。(出典: International Resource Panel「Global Resources Outlook 2024」報道発表)
- 2025年 ワイツマン科学研究所のミロの研究室: 人と家畜、野生の哺乳類の重さを1850年から追い直し、1850年代には野生の哺乳類の約2億トンが、人とその家畜の合計とほぼ同じだったと見積もった。人と家畜はその後約11億トンまで増え、野生の哺乳類は半分以下に減っている。約170年で5.5倍とすれば、倍になる年数は年で、人工物の20年よりずっとゆるやかに伸びてきたことになる。(出典: Greenspoonほか「The global biomass of mammals since 1850」Nature Communications 16(2025), 8338)
参考文献
- E. Elhacham, L. Ben-Uri, J. Grozovski, Y. M. Bar-On, R. Milo, "Global human-made mass exceeds all living biomass", Nature 588 (2020), 442-444(2020年12月9日公開); 同じ著者が公開したデータとコード(GitHubのmilo-lab/anthropogenic_mass、2026年10月29日確認).
- Weizmann Institute of Science, "The Mass of Human-Made Materials Now Equals the Planet's Biomass"(2020年12月9日、ワイツマン科学研究所米国委員会のサイトに転載); Weizmann Compass, "The anthropocene is upon us"(2020年12月31日).
- Y. M. Bar-On, R. Phillips, R. Milo, "The biomass distribution on Earth", Proceedings of the National Academy of Sciences 115 (2018), 6506-6511(2018年5月21日公開・PMC6016768).
- F. Krausmann, D. Wiedenhofer, C. Lauk, W. Haas, H. Tanikawa, T. Fishman, A. Miatto, H. Schandl, H. Haberl, "Global socioeconomic material stocks rise 23-fold over the 20th century and require half of annual resource use", Proceedings of the National Academy of Sciences 114 (2017), 1880-1885; F. Krausmann, C. Lauk, W. Haas, D. Wiedenhofer, "From resource extraction to outflows of wastes and emissions: The socioeconomic metabolism of the global economy, 1900-2015", Global Environmental Change 52 (2018), 131-140.
- 環境省『令和6年版 環境・循環型社会・生物多様性白書』第2部第3章第1節、図3-1-1「我が国における物質フロー(2021年度)」; 環境省「我が国の物質フロー図及びその各項目の推計方法」; 総務省統計局「人口推計(2021年(令和3年)10月1日現在)」.
- L. Greenspoon et al., "The global biomass of wild mammals", Proceedings of the National Academy of Sciences 120 (2023), e2204892120; L. Greenspoon et al., "The global biomass of mammals since 1850", Nature Communications 16 (2025), 8338.
- H. Haberl et al., "Weighing the global built environment: High-resolution mapping and quantification of material stocks in buildings", Journal of Industrial Ecology 29 (2025), 159-172(2024年12月9日公開); ESA, "Biomass launched to count forest carbon"(2025年4月29日); International Resource Panel, "Global Resources Outlook 2024"(2024年3月1日).